新年迎える準備加速年賀状、すす払い、葉ボタン出荷

ポストに年賀状を投函する園児=新金沢郵便局

 今年も残り2週間余りとなり、金沢市内各地で新年に向けた準備が慌ただしくなってきた。年賀状の引き受けが始まった15日、新保本4丁目の新金沢郵便局では園児らが参加して記念セレモニーが行われ、長坂町の曹洞宗大乘寺ではボランティアらが年末のすす払いに汗を流した。正月用切り花葉ボタンの出荷も本格化するなど迎春ムードが高まっている。

  ●年賀状引き受け開始 新金沢郵便局、園児が投函

 年賀状の引き受け開始に合わせたセレモニーには金石幼稚園の年長児約40人が参加し、家族らに宛てた年賀状を投函(とうかん)した。

 園児は来年の干支(えと)「辰」にちなんで竜の絵を描いたはがきを一人ずつポストに入れ、区分機が配達地域ごとに仕分ける様子を見学した。母親宛てに1通を書いた橋谷月琴ちゃん(6)は「お母さんに、うれしい気持ちになってほしい」と話した。

 日本郵便北陸支社によると、昨年、県内で引き受けたのは1567万通だった。北陸支社は元日に届けるために25日までの投函を呼び掛けている。

  ●大乘寺ですす払い 雲水不在で6年ぶり

 大乘寺のすす払いは6年ぶりに行われた。寺には2年以上雲水がおらず、コロナもあって2017年を最後に行われていなかった。15日は近隣寺院の僧侶やボランティアら12人が竹で天井や梁(はり)などを払った。

 作務衣(さむえ)姿の僧侶らは葉の付いた6~8メートルの竹で国重要文化財の仏殿や法堂(はっとう)、座禅堂などのほこりを落とした。曹洞宗放生寺(広岡1丁目)の澤井隆志住職(53)は「綿ぼこりなどがたくさん落ちてきて6年の長さを感じた」と話した。

  ●切り花葉ボタン収穫本番迎える 下安原町のハウス

 切り花葉ボタンは収穫シーズン本番を迎え、下安原町のビニールハウスでは生産者が色鮮やかな紅白の葉ボタンの選別作業に励んだ。

 JA全農いしかわによると、県内では67軒が234アールで栽培している。今年は夏場の猛暑で生育が遅れたものの、12月の冷え込みで色が付き、品質は良好。15日から出荷作業も本格化し、25日までに関西方面を中心に昨年並みの50万本が届けられる。県花き園芸協会切り花葉ぼたん振興会の西村俊雄会長(75)は「葉ボタンの花言葉は『招福』。たくさん飾って楽しい年末年始を過ごしてほしい」と話した。

天井や梁のほこりを落とす僧侶=金沢市長坂町の大乘寺
葉ボタンを選別する西村会長=金沢市下安原町

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