基準満たさず、更新できず…入間基地周辺の県立2高校「騒音緩和」でエアコンの公費負担ならず 測定は年1回

埼玉県庁=さいたま市浦和区高砂

 自衛隊入間基地(埼玉県狭山市)周辺の県立高校で、国の騒音対策の補助制度を用いて県がエアコンを設置している16校について、日吉亨教育長は14日、一部の学校で「騒音が緩和している状況もあり、国の(騒音)基準を満たさない場合も想定される」との認識を示した。県議会で渡辺大県議(自民)の一般質問に答えた。

 答弁などによると、エアコン設置から15年以上がたち、冷房性能などに課題が生じている学校は16校中4校ある。うち2校は、70デシベル以上の騒音などの国の基準を満たし、本年度に更新工事や設計業務に着手したが、残る2校は昨年10~12月に騒音測定で基準を満たさず、更新の見通しが立っていない。

 騒音測定は年1回行われ、前年に基準を満たさなかった高校も次年に再度測定できる。基準を満たさなかった2校は今年の調査で一定の騒音を確認できれば、県が更新の対応をするが、満たさない状況が長期化した場合、保護者負担などに切り替える可能性もある。過去に基準を満たさずPTA負担に切り替えた高校も1校あったという。

 日吉教育長は答弁で「エアコンを更新するまでの間、可能な修理を行うとともに、まずは、国に基準の緩和について要望していく」としている。

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