画風、制作変遷に迫る 山形美術館で「土田文雄展」ギャラリートーク

土田文雄が影響を受けた梅原龍三郎の図録を示しながら、土田の画風や制作の変遷などについて解説したギャラリートーク=山形市・山形美術館

 山形市の山形美術館で開かれている「没後50年 土田文雄展」のギャラリートークが16日、同館で行われた。同館主任学芸員の白幡菜穂子さんが主な展示作を示しながら、米沢市出身の画家の画風や作品の変遷などについて解説した。

 白幡さんは初期の裸婦を題材にした油彩画は、日本近代洋画を確立した梅原龍三郎の影響を強く受けていると指摘。梅原の図録を提示して見比べ、「背景に金屏風(びょうぶ)などをあしらい、肌が光るように描き、肉の影が織りなす色の構成を見せている」と説明した。代表作の海辺の風景を描いた連作にも触れ、「次第に船や旗などが単純化され、抽象的な表現になっていくのが一目で分かる」と語った。

 同展は、色彩豊かな土田の初期作品から絶筆まで約70点を紹介している。来年1月28日まで。ギャラリートークは今月23日と来年1月13日にも午前11時から予定している。きょう17日には同時開催している「近岡善次郎 聖なるイメージ」のギャラリートークが午前11時から行われる。

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