手紙110円、はがき85円に 30年ぶり値上げ、赤字転落受け

郵便ポストに描かれた「日本郵便」のロゴマーク

 総務省は18日、手紙(25グラム以内の定形郵便物)の郵便料金の上限を84円から110円に引き上げる省令の改正案を公表した。改正を経て日本郵便は来年秋にも値上げする意向で、消費税増税時を除き1994年以来30年ぶりとなる。改正が必要ない、はがきも63円から85円に値上げする。郵便事業は赤字に転落しており、事業維持のため見直しに踏み切る。

 日本郵便は50グラム以内の手紙については94円から110円にするほか、定形外郵便物などは約30%の値上げを検討している。レターパックや速達などの一部は値上げ率を抑制する。

 手紙の料金は94年に郵便事業の赤字が膨らみ62円から80円に改定した。その後は増税に伴い2014年に82円、19年には84円に値上げした。

 日本郵便などによると、郵便物の減少で22年度の郵便事業の営業損益は07年の郵政民営化後初めてとなる211億円の赤字だった。人件費や燃料費が高騰している背景も踏まえ、値上げをしなければ、28年度に3439億円の巨額赤字が見込まれている。

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