国重要文化財「常称寺」 初の全解体工事 市民ら朱色の柱や天井画を見学 広島・尾道

改修工事が進む広島県尾道市にある国の重要文化財「常称寺」で、修理現場の見学会が開かれました。

常称寺は鎌倉時代に創建されたと伝わる「時宗(じしゅう)」の寺院です。経年劣化により、初の全解体工事を本堂など3棟で2016年から実施していて、今回は完成前の最後の見学会でした。

参加者は本堂で関係者から工事内容などを聞きました。

文化財建造物保存技術協会の職員
「極力古いのは使うんですけど、やっぱり強度が必要なところは新しい材料を入れていくことをしています」

現在の本堂は、室町時代後期の建立とされます。ひときわ目を引く天井画は、江戸後期の1840年に制作されました。同じ時代に朱色で塗られた柱は再びベンガラと膠(にかわ)を混ぜた塗料で塗り直しました。

また、傷みのある垂木(たるき)は交換し、本堂の四角(よすみ)には耐震補強を施しました。

参加者
「1つひとつ使えるか使えないかを区別しながら再利用できるものはしてというところが、長期の工事が大変そうだなと思いました」

本堂の向かいにある観音堂でも部材の組み建てが進んでいます。「常称寺」の工事は2024年12月に完了します。

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