広島・福山城天守の勇姿示す「鉄板」 新たに9点が出土 福山空襲後に埋めたか

広島県福山市の福山城天守の北側を覆っていたとみられる鉄板が、発掘現場から見つかりました。

1897年ごろのものとされる福山城の天守北側の写真です。防備の役目を担うため、江戸時代前期にはすでに鉄板が張られていたと考えられ、その雄姿は2022年の築城400年で再現されました。

その鉄板が新たに天守の東側で実施されている発掘調査で見つかったと、福山市が発表しました。見つかった鉄板は9点。大きいもので、長さおよそ12センチ、幅およそ10センチ、厚みが3ミリです。

これまでに確認された鉄板は、2021年に市民から寄贈された2枚だけでした。

福山市によりますと、1945年の福山空襲で天守が炎上し、倒壊後に残ったがれきを集めて埋めたものと推測できるといいます。鉄板のほかに鉄釘(てつくぎ)や鎹(かすがい)も見つかっていて、福山市は今後、X線やCTスキャンを使った分析によって、素材を明らかにしていく方針です。

福山市 文化振興課 榊拓敏 さん
「昭和の空襲で焼け落ちた後にですね、焼け落ちて割れた瓦やそういったほかの素材と一緒に埋められていたということで、天守に使われていたものだということは一定程度、確実性がある」

今回の鉄板は2024年1月1日から福山城博物館で展示されます。

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