厚切りジェイソン流「お金の稼ぎ方」#5 少し残念な人の行動

70万部を超えるベストセラーとなった前作『ジェイソン流お金の増やし方』に続いて、11月20日、満を持して厚切りジェイソンの新しい書籍『ジェイソン流お金の稼ぎ方』が発売されました。

今回は、投資で増やす以前の「そもそも投資をするためのお金がない人はどうしたらよいのか」に対してこたえる内容になっています。

ジェイソンの経験に基づいて導き出された、お金を稼ぐ力をつける方法、つまり“稼ぎ方”のヒントがぎっしりつまった一冊になっています。

今回はその中から一部抜粋して、紹介したいと思います。

お金を稼ぐ方法1:論理的思考力をつける

考える力がなければ、使い捨ての人間になる。

自分でいうのもなんだけれど、僕は小さいころから考える力があったように思う。とはいえ両親からそういう教育を受けたわけでもない。

ただ、もしかしたらアメリカという環境が「考えなくてはいけない」というプレッシャーを僕にかけていたのかもしれない。

アメリカでは子どものころから「自分だけのスキルを身につけなさい」ということを大人によくいわれる。

というのも、アメリカはとにかく競争が激しい世界だから、「ほかの人より優れていないと、後で苦労しますよ」ということを小学生くらいから言われ続けるんだ。

さらに「あなたはなにになりたいの?」「それになるにはなにが必要ですか?」というように、自分で手段を考えるように促してくる。まぁ、そういわれてもなんの行動も起こさない人もいるけれど、僕はそういうことをきっかけに考えるようになったんだと思う。

ITバブルの真っ只中で思春期を迎えていた僕は世界が刻々と変わっていくのを目の当たりにしていたからこそ、幼心に「ITをやろう!」と決めた。

そうすると今度は勉強をするためにパソコンが必要になるよね。そのため両親にパソコンをゆずってもらうために説明をしなくちゃいけない。

そこで今度は両親を説得する方法を考えるんだ。こういう小さな「考える積み重ね」が力になっていったのは間違いない。

自分の仕事も人生も自分で舵を取らなければ、誰がやってくれるんだ? 誰もあなたのためにお膳立てをして考えてくれることはないよ。

だからこそ、どんな場面でも「自分で考える力」が必要なんだ。

生活の中の「嫌だ」を回避する方法で「考える力」をつける

そういえば、僕は子どものころ両親から「この子は弁護士になるんじゃないか」と言われたことがあったんだ。

というのも、お父さんやお母さんが僕に「○○をしなさい」とか指示をしてくる時、それに納得できないと徹底的にやりたくない理由を図やデータを用いて、論理的に反抗していた。

親もそこまで理路整然と「やりたくない」という理由を述べられると了解せざるを得なかったらしくて、そういう僕の姿を見て「弁護士になるのでは」と呟いていたらしい。

この僕の話は「嫌なことから逃れるための方法として徹底的に考える」という、とても小さなことだよね。

でも、こういう生活の中の小さなトラブルでも、相手が納得するように考えて説明することができるようになるというのは、仕事でも間違いなく役立つスキルになるはずだ。

解決方法を自分で考えることを上司は期待している

僕が過去の経験でよく見た光景で、少し残念な人の行動があるんだ。

例えば僕が「いつまでに○○という課題を解決してほしい」と依頼をすると、デキる部下は、「はい」という返事のみで仕事に取り組む。

そして、期日までに問題を解決することができなかったとしても「こういう手法で課題に取り組みましたが、◆◆が原因で結果を出せませんでした。ただ、時間をもらえるなら▲▲という方法でもう一度解決に向けて取り組みます」と説明してくれる。

つまり、失敗をしたとしても、取り組んだ手法とその敗因、さらに今までとは違う手法で解決できるかもしれないということまで考えて、提案をして報告をしてくる。

でも、デキない部下は仕事を依頼した際に「これはどうやったらいいでしょうか?」と言ってくる。自分で考える前に、まずやり方を聞いてくるんだ。

上司が期待しているのは、それぞれが自分で考えて解決することで、「どうやったらいい?」って聞かれても困るよね。

丸ごとやり方を教えないといけないなら、上司が最初からやった方が早いよ! 自分で考える力がまったく身についていないんだなということが露呈している返答だよね。あまりに残念すぎる。

これはもしかしたら日本の受験が影響しているのかもしれない。とにかく正しい答えを暗記する勉強法が多いもんね。

多くの知識はあっても、それを使って新たな答えを導くように考えられなくては、実生活では意味がないんだ。

考える力は自分を守る

日本の受験のこともそうだけど、多くの知識があることはとても素晴らしいんだけど、それを自分で活用する方法を考えられない、もしくは、自分自身の知識量の多さがいかに世の中で役立つかみたいな、自分の価値について考えが及ばないとどうなると思う?

そう、あなたはいつまで経っても弱い立場のままで、使われる側の人間になってしまうんだ。

サイコパスが稼げる人!?

オックスフォード大学博士研究員・ケヴィン・ダットン氏の研究で、会社のCEOは、サイコパス度が高い職業という結果が出たのを知っている?

CEOという責任を負いながら仕事をしているということは、洞察力や企業経営能力はもちろん、MBAなどを含めた多くの「スキル」や「資格」を持っていると考えられる。

同時に「ためらわずにリスクをとる」とか、「どんな局面においても強いメンタルをもつ」も。それに、時には従業員をバッサリ解雇する「冷酷な性格」も必要だよね。

もともとサイコパス気質の人だから出世しやすいのか、CEOという立場がその人のサイコパス度を高めたのかは僕にはわからないけれど、いずれにしても僕はとても納得ができたんだ。

「ビジネスを成功させる」=「稼ぐ」ためには、役に立たないものは捨てるのが一番の近道だ。

でも、ここで「いるもの」「いらないもの」を判断する能力が必要なわけで、それが考える力であり、さらにいえば「論理的に考えることができる力」なんだと思う。

こんなことを書いた後にいうと、僕もサイコパスと思われそうだけど、僕は感情の起伏が非常に少ないんだよね。

でも、だからこそどんな時でも情に流される判断をすることはない。例えば「必要かわからないけれど、とにかく会議のために作る資料」があるでしょ、あれこそ本当に無駄だと思うから「いらない」「僕が作る必要がない」と僕だったら伝える。

上司が怒るかも、とかそんな感情を優先して、嫌だけど飲み込むなんてことをしてはダメだよ。

会社は資本主義。よりメリットの大きい方が優先されるんだ。

感情で流されて「無理やりやる」のも、「嫌だ、やりたくないです」というのも損をするだけ。

依頼を受けた場合と、そうでない場合の両方を論理的に考えて、自分にも会社にもよりメリットがあることを実行すればいいと思う。

(ウェルなわたし)

© ぴあ朝日ネクストスコープ株式会社