LRT延伸も計画のJR宇都宮駅西口 整備計画策定へ懇談会発足 田川までの公共空間配置案提示

 次世代型路面電車(LRT)の延伸が計画されるJR宇都宮駅西口の周辺地区整備に向けて、宇都宮市は18日、基本計画の策定懇談会を発足させ、市内で初会合を開いた。整備推進へ官民で共通認識を図るため、市は約30年後の地区将来像を提示。同駅の東西自由通路から田川付近までをつなぐ公共的な空間「滞留・歩行者軸」の配置案を初めて示し、周辺景観に広がりを持たせた新たな駅前空間を演出するとした。

 対象地域は、スポーツ販売大手「ゼビオ」が取得した日清製粉宇都宮工場跡地とトナリエ宇都宮、六つの再開発街区の計約11ヘクタール。

 基本計画の策定は、市の同地区整備基本構想の策定から約10年が経過したことから、近年の社会変化を踏まえて改めて課題を整理、検討するのが狙い。2050年ごろの将来像を示した上で、駅前広場についてはLRT延伸計画に合わせて30年代前半の整備を目指す。

 市は同地区の問題点として、建築物の老朽化や景観の統一感の不足、バスと一般車両の錯綜(さくそう)などを指摘した。将来像は、県都の玄関口にふさわしい風格や、にぎわいがあり居心地の良い空間を想定。実現に向けた取り組み方針を示し、最終的に行政と民間企業・団体が統一感ある整備を目指すとした。

 同駅東口の交流拠点施設「ライトキューブ宇都宮」で開かれた第1回会合は、学識経験者や地元関係団体、交通事業者ら委員21人が出席。委員長に早稲田大理工学術院の森本章倫(もりもとあきのり)教授を選出した。委員からは「田川を活用して駅前空間の活性化を図ってほしい」「老若男女がこのエリアを楽しいと思ってくれれば、間違いなく空間価値は出てくる」などの意見が出された。

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