わくワークマルシェ2023(令和5年12月2日開催)~ ジェンダーから社会を見つめる。思いのこもった盛りだくさんマルシェ

令和5年12月2日、倉敷市男女共同参画課主催、高梁川プレゼンターレ運営でわくワークマルシェ2023が開催されました

「わくわく」と「マルシェ」のなかに組み込まれるだけで、「ワーク(仕事)」がとても楽しいイメージに変わる気がします。

トークセッション、パネル展示、セミナーにワークショップ、そしてフードマルシェ。

盛りだくさんのイベントに行ってきました。

イベントの内容

開催場所は、水島愛あいサロン東棟1階のコミュニティフロア全体と芝生広場です

トークセッション、セミナー、ワークショップのどれもが魅力的で、事前の予約でとても迷いました。

希望者が多く、なかには抽選になったものも。

筆者は、希望のセミナーに無事当選。事前に託児が予約できたので、安心して子どもを連れて参加できました

芝生広場のマルシェ

張り切って出発し、到着したのは開始直後の午前10時過ぎでした。

当選したセミナーは1時間後。さっそく芝生広場のマルシェに向かいます。

お日さまが出ていれば、体がぽかぽかとあたたまるくらいの陽気。

空もきれいに晴れ渡っていて、心も体ものびのびします。

芝生広場に集まったお店は、全部で13店。

古くから地域に根差してたくさんの人から愛され続けているお店や、地域をもう一度盛り上げようと奮闘するお店がありました。

地域の良さを再発見して新しく魅力を広げるお店もあれば、災害や厄災などを経て、つながりを再構築することで地域の力を強めようとする団体も。

▼筆者が吸い寄せられたのはこちら。

下津井わかめほか、体にうれしい乾物セット

知る人ぞ知る吉又商店の「下津井わかめ」は、おみそ汁にピッタリ。

ひと口食べただけで「うまみが全然違う」と、おみそ汁好きをうならせた逸品です。

▼いつでもお腹が減っている筆者の娘には、串田丸のれんこんコロッケを。

衣も軽やかな串田丸のれんこんコロッケ

さくさくの衣は見るからに香ばしそうで、あっという間に食べていました。

ひと口も娘からもらえず、もうひとつ買おうか迷った筆者ですが、セミナーの時間が迫っています。

娘を託児室へ預け、楽しみにしていたセミナーに向かいました。

セミナー

セミナーは1つ約50分で、時間をずらして4つ設けられていました。

わくワークマルシェ2023には、「生まれもった性別を理由に、一人一人の人生の可能性を狭めてしまいかねない大きな課題」に対し、「制度や人々の意識など、さまざまな面で社会の環境を整えていこう」というコンセプトがあります。

セミナーでは、女性の活躍をテーマに組まれているようでした。

筆者が申し込みをしたセミナーは、2つ。

インタビューライターの横山麻衣子(よこやま まいこ)さんと、株式会社TAYORI代表取締役 奥野実羽心(おくの みわこ)さんのセミナーです。

両枠とも参加者がかなり熱心に聞き入っていて、筆者も含め、女性がどうやって活躍するかについて、関心の高さがうかがえます。

両講師に共通していたのは、結婚、出産さらにはパートナーの転勤に伴う転居などで、キャリアを変更していた点でした

キャリアを変更しても、多方面に活躍する両講師。

場所も分野も違いますが、活躍する姿はとても自由で自然体に見えました。

大満足の内容で、セミナー後の質問にもつい熱が入ります。

結婚前に理想の働き方、生き方を見つけたとしても、その後の結婚、出産、転居などのライフイベントに大きく影響を受けてしまうのは、今の日本女性の多くに共通することではないでしょうか。

両講師の今に至る経緯を聞いて感じたのは、それぞれが既存の働き方、会社のあり方などの枠組みにとらわれていないことです。

既存のものに合わせるのではなく、自分自身の強みや魅力の見つけ方を教えてもらったセミナーでした。

トークセッション、パネル展示

セミナーの合間に足を運んだのが隣のフロア。高校生による探究学習が、パネル展示されていました。

高校生によるパネル展示 「パートナーシップ制度」は、ライフイベントの影響を受けやすい女性にとっても重要なテーマのひとつ

着眼点の素朴さに、目を開かされるような気持ちがしたり、仮説から調査、探究へと進む過程に初々しさを感じたりしました。

社会の入口から一歩先へ踏み込もうとして、背を伸ばして立っている姿が見えるようです。

筆者自身をふり返ると、「どうして、なぜ」と疑問が浮かんでも、見ないように過ごしてきた時期があったように思います。

自分の心に湧き出した疑問をそのままにしたり、誰かの言葉で無理やり納得したりせず、答えがすぐに見つからなくても、自分なりに知り、学ぶ

学生たちだけでなく、大人にこそ必要なものです。

今を生きる高校生たちの学習の成果を垣間見て、さわやかな希望を感じたパネル展示でした。

▼パネル展示の隣では、イベントの目玉ともいえるトークセッションが準備されていました。

トークセッションのようす 岡山大学の学生によるプレゼンテーション「スカートは誰のもの?」

セミナーの時間とかさなるため予約をあきらめたのですが、何と当日になって聞くチャンスが。

トークセッションのようす 学生それぞれがファッション観を語る

ファシリテーターは一般社団法人コノヒトカン代表 三好千尋(みよし ちひろ)さん

大学生のプレゼンテーションに続き、高校生を交えたトークセッションが展開されます。

ここでも何気ない「どうして、なぜ」から気づきが生まれるようすや、学習へと深まっていく過程が見られ、とても充実した時間を過ごせました。

学校外の人たちに向けて自分の言葉で発信したり、学生や教師とは違う人たちとの対話を楽しんだり。

「~校生」といった枠組みのない、今回のトークセッションのような機会が増えると、よりわくわくしたものが生まれるのかもしれません。

ワークショップ

真剣なようすでものづくりに打ち込む親子連れで、静かなにぎわいを見せたのが、ワークショップブースでした

講師陣は個人事業主だったり、フリーランスだったりと形態はさまざまですが、いずれもハンドメイド作家としてだけでなく、講師、イベント企画など多方面で活躍している人物ばかり。

私は、小学生の娘の体調不良の影響でワークショップはできませんでしたが、クリスマスや新しい年に向けてすでに次のイベントが決まっている作家さんもいるよう

さっそく次のチャンスを狙おうと思います。

セミナーの内容や、たくさんのハンドメイド作家さんたちの活躍を見るにつけ、組織に属さない個人やフリーランスとしての働き方は、今後も広がるかもしれないと感じました。

おわりに

ジェンダーの視点で、働き方や社会の今の姿を見つめ直す機会になったわくワークマルシェ2023。

盛りだくさんのイベントそれぞれに、主催、運営になった人々の思いが込められていました。

これからの時代は、性別だけでなく、多様なあり方を知り、尊重することがより望まれるだろうと思います。

そんな時代に向かう学生たちの疑問に向きあえたことで、ともに動ける大人でありたいと感じました。

また、女性が得意なことを生かして活躍できる社会環境づくりに当事者としてかかわりたいとも感じました。

いずれ、ライフイベントの影響が性別のどちらかに偏りすぎることなく、一人ひとりが人生の可能性を制限されずに過ごせるよう、わくワークマルシェはいろいろなきっかけを与えてくれたと思います。

マルシェに行けなかった人も、気になる出店などがあれば、ぜひつながってみてはいかがでしょうか。

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