「雪の日の朝7時は“鬼門”」寒波到来!車で外出はご用心 備え不足で反則金・罰金も 警察が注意呼びかけ

例年、冬に積雪や凍結による交通事故が多発しているため、警察が事故を防ごうと、ドライバーに注意を呼びかけています。

今回の呼びかけに合わせ、広島県警は2018年から22年までの5年間の県内での天候別の人身事故発生状況を公表しました。それによると、人身事故が多い順に▽「晴れ」が1万8633件、▽「くもり」が5260件、▽「雨」が3463件、▽「霧」が9件、▽「雪」が223件でした。

雪の日の朝7時は“鬼門”

注目されるのは、発生時間別の人身事故の件数です。全体では、ご覧の通り出勤時間帯の朝7時から8時、退勤時間帯の夕方5時から6時の人身事故発生が最も多くなっています。

一方、これを「雪」の日に限定すると、ご覧の通り、朝7時が突出して多いことが分かります。

なぜ「雪の日の朝7時は“鬼門”」なのでしょうか?

暖冬でも備えは必要

その理由について、広島県警交通企画課の泉新作次席に聞きました。

泉次席
「元々、出勤時間帯である上、夜間に雪が降った場合、まだ溶けていないことも大きいですが、やはり事前の備えが十分に出来ていない人が多いことが最大の原因だと思います。正直言って、雪の日の朝はできるだけ外出を控えていただければ。そして外出される場合はなるべく公共交通機関を利用していただきたいと思います。もし車を運転する場合は必ず冬用タイヤかタイヤチェーンを使用してください」

記者
「『今シーズンは暖冬』という予想もありましたが、やはり備えが必要なのでしょうか?」

泉次席
「いくら暖冬とはいえ、広島県内ではシーズン中に何回かは雪が降りますから。備えは必要だと思います」

記者
「泉次席ご自身は冬用タイヤに交換したりされたんですか?」

泉次席
「交換しました。雪の多い山間部にある実家に行くためという個人的な事情もありますが、やはり冬用タイヤの方が安全だからです。広島県の沿岸部にお住いの方でも雪の日に車を運転するなら、冬用タイヤに交換する方が無難だと思います。もし交換しないなら、雪の日は乗らないつもりでいていただきたいです」

記者
「暖冬なので私も迷いましたが、結局、冬用タイヤに交換することにしました。交換サービスの予約待ちです」

泉次席
「普段もそうなんですが、雪の日は特にしっかり天気予報をチェックして、ゆとりのある運転を心がけていただければと思います」

広島県警の懸命の呼びかけの背景には、2023年の県内の交通事故による死者数が12月19日の時点で75人に達し、前年より4人多くなっていることがあります。

雪の日のドライブの基本的な注意事項について改めて確認しておきたいと思います。

早めの準備が大切

〇早めに冬用タイヤへ履き替えるようにしましょう。
〇タイヤチェーンを携行するようにしましょう。

雪道では普段より慎重に

〇速度を控えめに、車間距離を広めにとりましょう。
〇急加速、急ブレーキや急ハンドルなどの「急」がつく運転はやめましょう。
〇日陰部分は路面凍結や雪が溶けずに残っていることがあるので、注意して走行しましょう。
〇トンネル付近や橋の上は、風をさえぎるものがないため、積雪がなくても路面が凍結している可能性があるので注意しましょう。
〇大雪が予想される場合や雪道等での運転に不安を感じた場合は運転を控えましょう。

準備不足で「道交法違反」も

〇積雪・凍結道路において自動車(二輪のものを除く)を運転するときは、ノーマルタイヤのまま走行するなど、路面の状況に応じた効果的な滑り止めの措置を講じない場合、道路交通法違反となります。
【関係法令】道路交通法第71条第6号、広島県道路交通法施行細則第10条第2号【反則金】大型車7000円、普通車6000円 【罰則】5万円以下の罰金

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