【強烈寒波】冬場の風呂で急増「ヒートショック」 大きすぎる寒暖差でさらにリスク高まる 「温度差解消」のため5つのポイント “10年に一度レベル”の寒波 若い世代も油断大敵

交通事故より多い 「入浴中の事故」による死者

今季一番の“強烈寒波”も入り一気に寒くなりました。先週までの暖かさから一転、気温変化が非常に大きくなっています。そうなると心配なのが「ヒートショック」です。

ヒートショックに関連する「入浴中の事故」で亡くなる人は、交通事故の死亡者よりも多いといいます。高齢者だけでなく、若い世代も注意が必要です。

RCCウェザーセンター 末川徹 気象予報士
「19日の商店街アーケードです。吐く息が白くなるほどの寒さとなってきました。道行く人を見ても、厚着をしている人が多くなってきました」

先週末までの暖かさから一転…、広島市中区では、日中の気温が、10度近く下がるなど、県内各地で「真冬の寒さ」となりました。

まちの人
「(凍結で)滑らないように…、クリスマスに雪が降るのかな」
「トイレや風呂場の喚起の窓にプラスチックを張り、冷気を遮断する」
「寒いときは、家から出ない。暖房をつける。Q暖房はためらわない?命には代えられない。命は一回しかない。お金はなんとかなる」

急激な寒暖差で、気をつけなければならないのが、「ヒートショック」です。

広島大学保健管理センター 宮内俊介医師
「ヒートショックは、急激な温度・血圧変化。急に寒く・温かくなることで、血管や脳に影響が出る状態(心筋梗塞、心不全脳梗塞など引き起こす)」

ヒートショックは冬がピーク 誰でもできる対策は

ヒートショックは、家などの風呂場で多いとされています。消費者庁がまとめた高齢者の入浴中の死亡事故を、月別に表したグラフです。1月をピークに、11月から4月と、冬場に多く発生しています。自宅でも、冷え込みが生じやすいため、十分な注意が必要です。

広島大学保健管理センター 宮内俊介医師
「▽浴室暖房がついている場合は使ってもらう。脱衣所に、ヒーターを置いてほしい。▽風呂のフタをあえて開けて、蒸気で浴室全体を暖めてほしい。▽冷たい!と思ったら危険。風呂に入る前、シャワーで床・椅子にお湯をかけてほしい」

厚生労働省の調査による2022年、ヒートショックなどを含め、自宅の浴槽で、おぼれて亡くなった人の数は、全国で6084人でした。9割以上が高齢者で、交通事故で亡くなった人の数(2610人・警察庁調べ)の2倍以上にのぼります。これを防ぐには、高齢者本人だけでなく、「家族のサポート」が欠かせないといいます。

広島大学保健管理センター 宮内俊介医師
「20~30分あがって来なかったら、『大丈夫かな?』と様子を見に行く。声をかけることが大事」

若い世代も油断できない「お酒との付き合い方」

また、お酒の付き合いが増えるこの時期、サラリーマンなどの「若い世代」も油断できないそうです。

広島大学保健管理センター 宮内俊介医師
「お酒を飲むと脱水で、水分が失われる。血管も広がってしまうので、急に血圧が下がりやすくなってしまう。忘年会・新年会で飲みすぎて長風呂すると、意識を失い、事故などにつながる。長風呂しない・飲みすぎないように、若い世代も気をつけてほしい」

カギは「温度差」解消 5つのポイント

▽脱衣所や浴室を温めましょう。

▽高い体温などによる意識障害を避けるため、風呂の温度は、41℃以下、つかる時間は10分までが目安

▽水圧がかかっているため、浴槽から急に立ち上がらないように

▽食後・飲酒後すぐの入浴や、医薬品服用後の入浴は避ける

▽入浴する前に家族に一声かけて

また、風呂場だけでなく、夜間や早朝のトイレでも同様の事故が起きやすい。廊下やトイレでは、暖房が効いていない場合が多いので、一枚羽織るなどしてください。大切な家族を守るためにも、日ごろの生活から「温度差」を意識しましょう。

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