カラス死骸から鳥インフル陽性反応 青森県内の野鳥で今季初確認 五所川原市

 青森県は20日、五所川原市で19日に野生のハシブトガラスの死骸が見つかり、簡易検査で鳥インフルエンザウイルスの陽性反応が確認されたと発表した。県内で野鳥から確認されたのは今季初。県畜産課によると20日夕までに周辺の養鶏場3カ所で異常は確認されていない。

 県自然保護課によると、カラス類を調査研究している弘前大学農学生命科学部が死骸1羽を見つけて回収。簡易検査の結果、陽性反応が出た。国立環境研究所へ検体を送り、遺伝子検査を行って高病原性かどうかを調べるという。

 環境省は19日付で回収地点から半径10キロ圏内を野鳥監視重点区域に指定した。区域は五所川原、つがる、中泊の3市町にまたがっている。県は20日、同区域内の湖沼や河川など10カ所について野鳥の大量死などがないか緊急調査した。結果をまとめ次第、公表する。

 県自然保護課の担当者は「死んだ野鳥や野生動物は素手で触らず、大量死を見つけたら県や市町村に連絡してほしい」と呼びかけている。

 環境省によると今季、野鳥から高病原性鳥インフルエンザウイルス陽性を確認したのは18都道県で計72例。このほか、青森県のような疑い事例もある。県内で昨季、高病原性と確認された野鳥は6例あった。

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