故・佐野ぬいさん(青森・弘前市出身)初のデッサン展 1月、東京・表参道によりすぐり30点

佐野さんの自宅アトリエから発見されたスケッチブックに描かれていた作品の一部(nuit・company提供)
nuit・company提供
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 8月に死去した青森県弘前市出身の洋画家佐野ぬいさん(享年90)が、生前に描き残した素描画をよりすぐった初のデッサン展が2024年1月、東京・表参道で開かれる。ぬいさんは「ぬいブルー」と呼ばれる青を基調とした抽象画で知られるが、今回の展覧会ではモノクロのクロッキーやスケッチが中心。これまでとはひと味違ったぬい作品約30点が並ぶ予定。

 展覧会は一般財団法人nuit・companyが主催。同法人の代表理事を務めるぬいさんの次男・壮さんらが東京の自宅アトリエの作品を整理していた過程で、ぬいさんが描きためていた数十冊におよぶスケッチブックを発見した。女子美術大学入学前の弘前時代のものから、制作後期の抽象画の下絵、1970~80年代に描いていた新聞挿絵のデッサンなど、未発表のものも含む多数の作品が見つかったという。

 壮さんは「ぬいがこんなにすばらしいデッサンも描いていたんだと意外に思った」と、スケッチブックの発見時を振り返る。今回の展覧会は「追悼というより『ぬいファン』の皆さんを驚かせたい思いから企画した。とてもいい作品がたくさんあるので、多くの人に見てほしい」と語った。

 「『はじめて出会う 佐野ぬい』未発表の素描/nuit monochrome」は2024年1月5日から18日まで、東京都渋谷区の表参道ヒルズ同潤館3階「Galerie412」で。入場無料。

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