青森県内の高卒者地元就職率、全国最低61.7% 進学率は過去最高53.5%

 今年3月に青森県内高校(全日制・定時制)を卒業した生徒のうち、就職した生徒の割合(就職率)は前年比0.5ポイント減の23.7%で過去最低となった。このうち県内(地元)就職率は61.7%(前年比0.9ポイント減)で全国で最も低いことが20日、県教育委員会への取材で分かった。全国平均の82%とは約20ポイントの差があり、就職を機に青森県を出る高卒者の割合が他県と比べて高い傾向が明らかになった。一方、大学などに進学した割合(進学率)は前年比1.4ポイント増の53.5%で過去最高だった。

 文部科学省が20日、学校基本調査(確定値)を発表したことを受け、県教委が青森県分の「卒業者の進路状況」を公表。青森県の高校卒業者は前年比533人減の9804人で、うち就職者は2322人、大学などへの進学者は5243人だった。

 県内就職率は昨年に続いて60%を超え、横ばいを維持しているものの、全国で最も低かった。地元就職率の全国平均は82%、隣県では岩手県72.5%、秋田県74.1%だった。

 県内就職率が全国ワーストだったことについて、県教委学校教育課の中村尚吾課長代理は取材に「郷土に愛着と誇りを持ってもらうことが目的の授業『あおもり創造学』のほか、県内企業の良さを知る機会づくり、各校への就職支援員配置など、県内定着への取り組みを続けている」と説明。「結果に一喜一憂せず、一度県外に出ても将来的にまた戻ってくる生徒を育成したい」と述べた。

 一方、進学率は全国31番目の高さだった。県内高校別の進学率は、高い順に青森東91.8%、五所川原89.8%、八戸87.3%、三本木86.9%、弘前中央86.1%。青森県からの進学者が多い国公立大は弘前526人、青森公立160人、岩手130人、県立保健124人、東北112人。私立大は青森中央学院190人、青森183人、八戸工業149人、東北学院139人、弘前学院137人の順だった。

 今年3月の中学卒業者は前年比269人減の9915人。高校等進学率は99.1%(前年比0.1ポイント減)、就職率は0.1%(前年と同率)だった。

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