警報級大雪 警戒続く 県内、降雪見込み 平地40センチ、山間部60センチ

横殴りの雪で見通しが悪くなった街=21日午前11時、富山駅前

  ●交通障害や農業被害、路面凍結に注意

 富山県内は21日、強い冬型の気圧配置となり、平地を中心に広い範囲で雪が降った。富山地方気象台は22日にかけて大気の状態が不安定となり、平地でも警報級の大雪となるおそれがあるとして、交通障害や農業施設への被害、路面の凍結などに注意を呼び掛けた。

 同気象台によると、23日にかけて北陸地方の上空約5500メートルに氷点下30度以下の寒気が流れ込み、22日にかけては気圧の谷や寒気の影響により大気の状態が非常に不安定となる。22日午後6時までに予想される24時間降雪量は、いずれも多い所で、平地40センチ、山間部60センチとしている。

  ●2カ所で「冬日」8カ所今季最低

 21日の県内は上空の寒気の影響で大気の状態が不安定になり、竜巻などの激しい突風が発生しやすくなった。気象庁は午前11時53分、県西部に竜巻注意情報を出して注意を呼び掛けた。午後7時現在の最低気温は上市町氷点下1.2度、富山市八尾同0.4度と全10観測地点のうち2カ所で0度未満の冬日となり、8カ所で今季最低を記録。富山駅前では、横殴りの雪で見通しが悪い中、ゆっくりと走行する車が見られた。

  ●スリップ28件、3人負傷 南砺の北陸道下りで車横転

 富山県内は21日、積雪や路面凍結の影響による車のスリップ事故が相次いだ。

 南砺市人母の北陸自動車道下り線では午前8時5分ごろ、乗用車が横転する事故が起きた。県警高速隊によると、積雪によるスリップが原因とみられる。運転手1人にけがはなかった。現場は片側2車線で、横転した車が走行車線をふさいだため、事故処理で一時渋滞した。

 県警交通企画課によると、21日午後4時までの24時間にスリップ事故28件が発生し3人が負傷した。いずれも軽傷とみられる。

 富山空港発着便は21日、雪の影響で、東京発315便が約40分遅れ、折り返しの東京行き316便が約1時間遅れた。

 富山地方鉄道は22日、大雪が見込まれるため、高速バスの新潟線を全便運休する。

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