正月遊びの定番といえばたこ揚げ。空高く揚がるたこを眺めたり、より高く揚げようと夢中になって走り回ったり。福井県あわら市のたこ作り職人、藤川和隆さん(62)に、自宅でも簡単にできるダイヤ型のたこの作り方や、たこ揚げの楽しさを教えてもらった。
たこ揚げは、日本だけでなく世界各地で行われている遊び。ダイヤ型のたこは簡単に作ることができ、安定して揚げられる。
藤川さんは2010年、会社勤めの傍ら、子どもたちにたこ揚げの面白さを伝えようと自宅でたこ作り工房を始めた。
県外のたこ作り団体に学ぶなど研さんを重ね、これまで直径約1.5メートル、全長約5.2メートルの円柱形の吹き流したこや、全長約200メートルの100連だこ、芸能人などを描いた装飾だこなどを製作。コロナ禍前には、こども園や公民館でたこ作り教室を開いてきた。
「子どもの遊びはゲームなどデジタル化していて、昔のアナログな遊びを知らない子がいっぱいいる。子どもはたこを揚げるだけで笑顔になる」と藤川さん。「自分で作った世界にたった一つのたこを揚げて、楽しんでほしい」と話している。
たこ作りの手順
(1)用意するもの 竹ひご2本、ごみ袋、マジック、セロハンテープ、たこ糸、カッター、はさみ、定規
(2)ごみ袋をカットする 縦骨を張る対角線60センチ、横骨を張る対角線54センチとして、横骨から上の部分を15センチ、下の部分を45センチとなるようにごみ袋をカットする。多少のずれは大丈夫だが、なるべく正確に切るのがポイント
(3)好きな絵を描こう マジックで好きな絵を描く
(4)横骨と縦骨を取り付ける 絵の裏側に横骨、縦骨の順にテープで取り付ける。竹ひごの端、交差する点をしっかり固定する。横骨の両端と縦骨の下端は1センチほどはみ出させる
(5)糸目点を空ける 竹ひごが交差する点の近くにたこ糸を通す「糸目点」を2カ所空ける
(6)(7)反りをつける 横骨の両端に5ミリほどの切り目を入れ、約80センチのたこ糸をそれぞれの端で3回ほど巻いて固定し、たこに反りをつける。反りの高さは約6センチにする
(8)出来上がり 糸目点に表からたこ糸を通し、もう一方の穴から糸を出して結び、出来上がり
(9)宙を舞うたこ 約40センチのビニールの尾っぽをつけアクセントに