圧巻の勝負強さ発揮したマドリーが首位で2023年終える…ナチョ退場もL・バスケスの後半AT弾で劇的勝利【ラ・リーガ】

[写真:Getty Images]

ラ・リーガ第18節、アラベスvsレアル・マドリーが21日にエスタディオ・デ・メンディソローザで行われ、アウェイのマドリーが0-1で勝利した。

首位チームを2ポイント差で追う2位のマドリーは、アラベスとのアウェイゲームで年内最終戦白星締めを狙った。前節、ビジャレアル相手にモドリッチの今季初ゴールなどで4-1の快勝を収めたアンチェロッティのチームは、その試合から先発3人を変更。GKをルニンからケパに代えたほか、長期離脱が決定したアラバと軽傷のメンディの代役にナチョ、フラン・ガルシアを起用した。

直前に行われた試合でジローナが引き分けたことで、勝てば首位での年越しが可能となったマドリー。開始2分にはブラヒム・ディアスのラストパスに反応したバルベルデがボックス右からニア下を狙う鋭いシュートでいきなりの決定機を作り出す。

ここから一気に流れを引き寄せたいアウェイチームだったが、以降はボールを握るものの、なかなかフィニッシュまで持ち込めなくなる。さらに、相手が狙うロングカウンター、セットプレーから幾度もフィニッシュまで持ち込まれる。

前半半ばから終盤にかけても攻めあぐねる状況が続くマドリー。38分にはバルベルデが得意のミドルシュートを枠に飛ばすが、これはGKシベラの好守に阻まれた。

結局、攻撃の糸口を見いだせないまま試合を折り返したマドリーは、さらに後半立ち上がりにアクシデント発生。守備対応の際にオモロディオンの左足アキレス腱辺りに足裏を見せたチャージを見舞ったナチョにオンフィールド・レビューの結果、レッドカードが掲示された。

これで数的不利を背負ったマドリーはモドリッチを下げてチュアメニをセンターバックに投入。これでロドリゴを最前線に残した[4-4-1]の形に変化した。一方、アラベスは1枚カードをもらっていたドゥアルテに代えてハビ・ロペス、グリディに代えてより攻撃的なハジを投入。勝ち点1を最低ノルマに勝ち点3を意識した戦い方にシフトした。

数的不利を背負ったものの、狙いどころを定めた守備で中盤や自陣の高めでボールを回収し、個々のキープ力を活かして押し込む形を作り出すアンチェロッティのチーム。流れの中では攻撃の枚数が足りない場面も見受けられるが、セットプレーでチャンスを窺う。さらに、76分にはクロースの正確なパスを起点にロドリゴがカウンターでボックス内へ侵入するが、ボックス左45度から放った右足のコントロールシュートはわずかに枠の右に外れた。

この決定機直後にアンチェロッティ監督はブラヒム・ディアスを下げて古巣対戦のホセルを投入。前線に高さと強さを加え、あくまで勝ち点1ではなく勝ち点3を目指す。

後半終盤にかけては互いに見せ場を作れず、このままゴールレスでのタイムアップかに思われたが、エル・ブランコの勝利への執念が最後に劇的ゴールをもたらす。

5分が加えられた後半アディショナルタイムの92分、左CKの場面でキッカーのクロースが右足インスウィングの正確なボールを入れると、ニアでリュディガー、ファーでベリンガムが相手守備を引き付けた中で中央にフリーで走り込んできたルーカス・バスケスがピッチに叩きつけるヘディングシュートを放つと、これがゴール左隅に決まった。

そして、伏兵バスケスの価千金の今季リーグ戦初ゴールで数的不利を撥ね返す劇的勝利を掴んだマドリーが、ジローナを抜いてリーグテーブルの頂に再浮上。首位で2023年の戦いを終えることになった。

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