2050年の青森県 人口4割減75万人、2人に1人が高齢者 国機関推計

 国立社会保障・人口問題研究所は22日、地域別の将来推計人口を発表した。2050年の青森県人口は75万4751人で、2020年の123万7984人から30年間で39.0%(48万3233人)減少すると推計した。減少率は秋田県に次いで全国で2番目に大きい。働き手の中心となる15~64歳の生産年齢人口は半減し、33万3311人となる見通し。一方で65歳以上の高齢者の割合(高齢化率)は20年の33.7%から48.4%に上昇し、県民のほぼ2人に1人が高齢者となる。市町村別では、県内22市町村で人口が半数以下になると試算した。

 同研究所はおおむね5年に1回、国勢調査や想定される出生率などを基に地域ごとの推計人口を算出している。

 青森県人口は2020年から5年ごとに約8万人ずつ減り、35年には100万人を割り込むと見込んだ。

 14歳以下の年少人口は50年に5万6011人と、20年に比べ57.0%減少。県人口に占める割合は10.5%から7.4%に落ち込む。生産年齢人口の割合も55.7%から44.2%に下がると予測した。

 65歳以上の人口は12.5%減って36万5429人となるが、このうち75歳以上の後期高齢者は10.5%増え、23万4796人に。県人口に占める後期高齢者の割合は17.2%から31.1%に増加し、県民の3人に1人近くになる見通しだ。

 県内40市町村はいずれも人口が減少する。減少率が最も大きいのは今別町の70.4%。外ケ浜町67.6%、佐井村66.1%が続く。減少率が小さいのは、おいらせ町21.2%、六戸町22.5%、三沢市28.9%の順となった。

 22市町村で人口が半数以下となり、市部では唯一、つがる市が20年の3万934人から50年に1万5262人と半減する。

 おいらせ町の50年の人口は1万9121人で、同年のつがる市、平川市(1万8103人)の人口を上回る見通しを示した。

 高齢化率が50%を超え、「限界集落」の目安に当てはまる自治体は、20年の3町村から50年に29市町村と大幅に増える。高齢化率が最も高くなるのは外ケ浜町で、71.8%と推計した。

 同研究所は2018年の前回発表時、45年の青森県人口を82万3610人と予測していたが、今回は45年に83万3387人と、やや上方修正した。同研究所によると、出生率は好転しないものの(1)国内全体の外国人入国者増の波及(2)平均寿命の伸長(3)新型コロナ流行による、転出超過の若干の弱まり-などが複合的に反映されたとしている。

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