4年ぶり参拝客も除夜の鐘 鐘楼堂復活の羽咋・永光寺

正座して鐘を突く護持会員=羽咋市酒井町の永光寺

  ●正座で試し突き、厳かな音色

 羽咋市酒井町の曹洞宗(そうとうしゅう)永光寺(ようこうじ)で24日、新年に向けた大掃除に合わせて除夜の鐘の試し突きが行われ、境内に厳かな音色が響き渡った。近年はコロナ禍や鐘楼堂が老朽化した影響で一般参拝客による鐘突きを中止していたが、11月にお堂の補修工事が完了し、4年ぶりに復活する。

 永光寺の鐘突きは正座して行うのが習わしで、全国的にも珍しい。護持会の中越貞喜会長(75)ら20人が掃き清められた鐘楼に上がり、鐘を突いて「ゴーン」という音を響かせ、合掌した。檀信徒は、すす払いや門松の設置などの作業も進めた。

 築約200年の鐘楼堂は昨年4月、柱が腐食し、建物全体が傾いた。クラウドファンディングで補修費を募り、約660万円の寄付が集まった。屋敷智乘(ちじょう)住職は「参拝者は4年分の思いを込めて力いっぱい除夜の鐘を突いてほしい」と話した。

 31日は午後10時の法要に続いて鐘を突き始める。先着の108人に整理券を配り、抽選で10人に寺にちなんだ記念品を授与する。

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