ハザードマップ、音声で…水害時の避難行動、避難場所などを収録 視覚障害者からの要望受け加須市

音声版「洪水ハザードマップ」を受領した金子善一支部長(右端)ら=埼玉県加須市役所

 視覚障害者の助けに―と、埼玉県加須市は音声版「水害時の避難行動マップ(洪水ハザードマップ)」を作成した。18日、加須市役所で県視覚障がい者福祉協会加須支部の金子善一支部長(73)らにCDを手渡した。

 同市内には、216人の視覚障害者がいる。10月に市が行った視覚障害者との意見交換会の場で、音声版洪水ハザードマップの要望が寄せられた。市では、市内の朗読ボランティア「やよい」に協力してもらい、同市社会福祉協議会が編集した。

 同市によると、音声版洪水ハザードマップを作成してホームページで公表しているのは、深谷市、杉戸町、寄居町に次ぐものだという。

 同CDの録音時間は約1時間15分。情報編、地図編がある。情報編は、警戒レベルと避難情報、水害時避難場所一覧、自助・共助・公助など。地図編は、北川辺地域の方向け、大利根地域の方向け、加須・騎西地域の方向けの水害時避難場所など。

 やよいの代表、杉田民子さん(73)は「水害時には北川辺地域や大利根地域が特に危険とされている。音声で分かるように工夫した」と話す。金子支部長は「私は全盲なので、CDの声を聴いて、どう行動したらいいか、頭の中で地図をつくる。音声版はありがたい」と感謝した。

 市の増田浩之環境安全部長は「本市は利根川と渡良瀬川などがあり、水害対策が大きな課題。今回、視覚障害の方向けに音声版洪水ハザードマップができて、良かった。ホームページで公表するなどして広めたい」と話した。

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