あわや高額の電子マネー購入、客の詐欺被害を相次ぎ防ぐ 兵庫・朝来のコンビニ店員2人に感謝状

特殊詐欺の被害を防ぎ、感謝状を贈られた成田美恵子さん(右から2人目)と谷口みどりさん(同3人目)=南但馬署

 「パソコンのウイルス感染除去」を名目に費用をだまし取ろうとした特殊詐欺の被害を相次いで防いだとして、兵庫県警南但馬署は21日、同県朝来市のローソン和田山土田店の従業員谷口みどりさん(59)と、成田美恵子さん(62)=いずれも同市=に署長感謝状を贈った。(小日向務)

■和田山の谷口さん、成田さん

「ウイルス感染で電子マネー」聞き機転

 谷口さんは11月3日、2万8千円分の電子マネー購入を申し出た60代の男性に対応。男性はパソコン画面に「ウイルスに感染した」と示されたため、表示の番号に電話し、ウイルス除去の費用として電子マネーの購入を指示されたという。谷口さんは男性に事情を聴いて、南但馬署に連絡。署員の説得を受けて男性は購入をやめたという。

 一方、成田さんは同月18日、70代の女性がウイルスの除去費用として3万円分の電子マネーを購入しようとしたのを防いだ。

 成田さんが被害を防いだのは3回目。同署によると、最近は「使用目的を聞かれたら『自分で使う』と答えるように指示されているケースが多い」といい、成田さんは「目的について詳しく聴くようにしている」と説明。防犯の協力要請で来店した署員から、周辺事例の紹介や防止法のアドバイスを受けた際には、店の引き継ぎノートに内容を記載し、ほかの店員とも共有するようにしているという。

 南但馬署の深木孝夫署長は「情報を提供しても、積極的に活用してくれる店とそうでない店がある。繰り返し被害を防止していただいてありがたい」と話していた。

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