JR福井駅周辺で目立つ少年たちの不良行為…SNSで複数グループが集結 ハピリン内で喫煙や飲酒、傷害事件で逮捕者も

JR福井駅周辺を見回るパトロール隊と福井署員=12月15日夜、福井県の福井市観光交流センター

 福井県福井市のJR福井駅周辺で少年の不良行為が目立っている。グループによる傷害事件も起きた。来年3月に北陸新幹線県内延伸を控える中、商業施設関係者は「非常に迷惑。マイナスイメージの定着は避けたい」と話す。地元の団体や福井県警は連携し、「クリーンな県都の玄関口」へ向けてパトロールを強化している。

 県警やハピリンの関係者によると、昨年夏ごろから複数の少年グループによる迷惑行為が目立つようになったという。SNSを通じて福井市内外から集まっており、中には県外からやってくる少年もいる。ハピリン内で喫煙したり、飲酒したりすることもあり、注意しても収まらなかったという。昨年秋には、少年たちがたむろするため、ハピテラスのテーブルや椅子を撤去した。

 今年6月、「見せる防犯」として、まちづくり福井や地元商店街の組合、商業施設などが自主パトロール隊を結成。少年たちが活発になる夏休みやハロウィーンなどに合わせ、そろいの緑色のベストを着て週1回のパトロールを展開してきた。夜間の30分~1時間、福井署員も同行して少年たちの不良行為がないか目を光らせている。

 それでも、市観光案内所付近のプランターを荒らしたり、市観光交流センター屋上の恐竜モニュメントを蹴って壊したりする事件が発生。11月には少年6人が傷害事件を起こし逮捕された。

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 ハピテラスなどを管理する市にぎわい交流施設の木村郁夫館長は「駅前に若者が集まることは歓迎だが、ごく一部の不良少年が目立ってしまっている」と頭を悩ます。「防犯カメラを増設し、警察にもパトロールや事件捜査に力を尽くしてもらっている。悪いことをしたら必ず見つかる」と語気を強める。

 福井署管内で見回り活動などを行う福井署少年警察協助員会の岩佐和則会長は「新型コロナウイルス禍で休校が続いた影響か、不登校が増えている。居場所を失った子どもたちが福井駅に集まっているのではないか」と推察する。「不良行為は犯罪の入り口。地道に活動を続けていく」と話している。

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