時代を超えて輝くシンボル 港町神戸の夜景に帰ってきた「鉄塔の美女」

ライトアップされた神戸ポートタワー。神戸港周辺の夜景にくっきりと浮かび上がった=神戸市中央区、諏訪山公園から望む

 マンションやホテルなど直方体の建物が林立する街並みにあって、深紅のドレスをまとったような立ち姿はひときわ目を引く。

 今年、開業60年を迎えた神戸ポートタワー(神戸市中央区)。高さ108メートルで、鼓形の外観と塔頂部にある「PORT OF KOBE」の文字は神戸市民にはなじみ深い。完成した1963年当時、タワーをしのぐ高さの建築物はなく、展望フロアから360度の視界で市街を見渡すことができた。

 タワーは2021年から耐震補強などのため改修中だが、外装工事はほぼ終了。リニューアルオープンを来年春に控え、約2年3カ月ぶりとなる夜間のライトアップが今月21日から始まった。

 諏訪山公園(同市中央区)の高台から望むと、漆黒の海を背に周囲の街明かりとの競演が楽しめる。「鉄塔の美女」とも呼ばれる紅一点は、時代を超えて輝き続けている。(斎藤雅志)

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