墨の濃淡で個性 工藤未侑さん(青森・五所川原高3年)、全書芸展の公募部門最優秀賞

全書芸展で全書芸賞と文部科学大臣賞を獲得した工藤さん
全書芸賞と文部科学大臣賞に輝いた工藤さんの作品(五所川原高校提供)

 書道の全国公募展「第52回全書芸展」で、五所川原高校(青森県五所川原市)3年の工藤未侑(みう)さん(18)の作品が、公募部門の最高賞である全書芸賞と文部科学大臣賞に輝いた。工藤さんは「高校生最後の出展で最高の賞を頂いたことは光栄で、うれしい」と喜んでいる。

 全日本書芸文化院が主催する同展の公募部門には、全国から384点の応募があった。工藤さんはⅠ部に、光明皇后筆の「楽毅論」の一節を臨書した作品(縦約136センチ、横約68センチ)を出品した。

 昨年末から練習を重ね、今年6月に出品作を書き上げた。「行数が多いので、かすれや墨をたくさんつけるところなど、1行の中に見どころをつくるようにした。行間にも気をつけた」と振り返る工藤さん。手本をそのまま写すのではなく、臨書する中で個性を出し、自分なりの作品にするように努めたという。

 工藤さんは板柳町在住で、小学1年生の時に習字を始めた。高校では今夏まで書道部の部長も務めた。同部顧問の小野浩教諭は「熱心に黙々と書き、一生懸命枚数をこなしていく生徒。出来栄えが次第に良くなっていき、審査員が満足するぐらいのものになった」と評価する。

 授賞式は17日に東京都内で行われた。作品は25日まで都内の国立新美術館で開催中の全書芸展で展示されている。進学希望だという工藤さんは「先生方や両親のサポートがあって大きな賞を取れたと思う。まずは感謝の気持ち。今後も書道を続けようと思っている」と話している。

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