大谷グラブ届いた 富山県内5市町に、児童歓声

大谷選手から贈られたグラブを手に取り、喜ぶ児童=立山町立山中央小

  ●小学校、利用に知恵絞る

 米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手が日本国内の全小学校約2万校に寄贈するグラブが25日、富山県内5市町の教委に届いた。世界の二刀流からクリスマスに届けられた贈り物を手にした児童は「カッコ良い」「キャッチボールしたい」などと歓声を上げた。グラブは来年3月までに県内の全小学校に届く予定で、学校側は多くの児童に広く使ってもらうため知恵を絞っている。

 グラブは砺波、黒部、小矢部、立山、上市の5市町に計34小学校分が届いた。各校に贈られるのは小学校低学年用サイズの右利き用が二つ、左利き用が一つ。段ボールに梱包され、「野球しようぜ!」と記された大谷選手からのメッセージカードが添えてあった。

  ●富山、南砺は1月

 配達日は大谷選手が契約するスポーツ用品メーカーがあらかじめ全国の自治体から希望を聞いて決めている。南砺市は1月12日、富山市は1月末、高岡市は2月上旬を希望している。他の7市町村は配達日を指定していない。

 立山町教委は25日、町内6小学校にグラブを三つずつ届けた。1校目の立山中央小では冬休みで児童は登校していなかったが、放課後児童クラブを利用する児童が集まって、机に並べた12個のグラブを前に「めっちゃカッコ良い」と大喜び。グラブを触ったり、眺めたりして笑顔を見せた。

 今年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本を優勝に導いた大谷選手に憧れて野球を始めた浦野泰成君(1年)は「たくさん練習して、大谷選手のように二刀流で活躍したい」と目を輝かせた。左利きの山下眞永君(3年)は「友だちとキャッチボールをしたい」と声を弾ませた。

 各校に寄贈されるグラブの数が三つと限られる中、大規模校では多くの子どもに使ってもらうための工夫も必要になる。

 富山市内で最も多い全校児童1072人の藤ノ木小は軟式野球用のバットやボールがなく、グラブの活用法に頭を悩ませている。飯田敬一教頭は「大谷選手の思いをくみ、みんなが野球を楽しめる方法を考えたい」と話した。

 小矢部市では市小学校長会でグラブの活用法について話し合っており、体力テストのソフトボール投げで、グラブをはめる機会を設けることを検討している。

  ●野球好き増えるきっかけに、県軟式連盟は期待

 県軟式野球連盟によると、県内の学童野球の登録チーム数は年々減少している。2013年は157チームだったが、23年は101チームとなり、この10年で約3分の2になった。担当者は「子どもたちが野球を好きになるきっかけになってほしい」と期待した。

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