棟方志功記念館(青森市)、従来通り2024年3月閉館方針 理事会で異論出ず

 来年3月末で閉館する青森市の棟方志功記念館を運営する一般財団法人「棟方志功記念館」(小野次郎理事長)の理事会が25日、青森市のホテル青森で開かれ、閉館に伴う定款の変更など関連議案を満場一致で議決した。記念館の閉館を巡っては、存続を求める市民有志が約1万9千筆分の署名簿を財団側に提出しているが、今回の理事会の議決により、従来通りのスケジュールで閉館に向けた準備を進めることとなった。

 約1時間にわたった非公開の会議後、東奥日報の取材に応じた小野理事長は、予定通り来年3月末で閉館とする方針について、出席者から異論などが「全く出なかった」と説明した。

 会議では、20日に市民有志「棟方志功記念館存続署名の会」から受け取った1万8932筆の署名簿の扱いも話題になったという。

 小野理事長は市民有志から署名簿を受け取った際、「お預かりしただけ。中身を見ることもできない」と述べたが、現在もその方針から変わりがないことを強調。来年3月末の閉館は既に決まったことで、署名簿についても受け取ることができない旨をしたためた文書を23日、市民有志側に発送したことも明かした。

 記念館閉館後の利活用については、県と市が建物と日本庭園を残す形で対応を検討中。小野理事長は「県民や市民も含め、(建物と日本庭園が利活用される方向性が出たことで)皆さん納得してくれたのではないか」と述べた。

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