街のクリーニング店 87歳店主がイルミネーション続けて60年 青森・三沢市

丸中クリーニング自慢のイルミを背にする中川原さん(右)、妻和子さん

 青森県三沢市中央町の丸中クリーニングが店をイルミネーションで飾りつけ、色鮮やかな光が通行人や住民の心に灯をともしている。毎年恒例の1万球の電飾を楽しみにしている人は多い。店主の中川原敏雄さん(87)は「みんなへのクリスマスプレゼント。喜んでほしい」と話している。

 店を開いて間もない1963(昭和38)年から、子どもたちを楽しませるために始めた。年々規模は大きくなり、米軍三沢基地の隊員の間でも評判に。「ナカさん」の愛称で慕われる中川原さんの元には、米国製の製品も多数寄せられた。市や商工会主催でかつて行われていた飾りつけコンテストでは、最高賞を3度受賞した経験もある。

 毎年こだわった電飾を施す中川原さんも90歳近く。飾りつけにははしごを使わなければならず、けがへの不安がよぎる。電気料金も高騰するなど苦労は多い。そんな時、背中を押してくれるのは近所の人たちの温かい励ましだ。「点灯はいつから?」「ないと通りがますます寂しくなる」という声を聞くと「準備への力が湧いてくる」と話す。

 今年は12月に入って点灯をスタート。夕方以降、暗い通りを照らして癒やしを与える。「一年でも長く続けたい。電飾も店も」。妻和子さん(87)と目を合わせ、朗らかな笑みを浮かべた。点灯は年始まで続く予定。

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