ザ・キャビンカンパニー初の紙芝居 画面をフルに使い、躍動感【大分県】

初めて紙芝居を制作したザ・キャビンカンパニーの阿部健太朗さん(左)と吉岡紗希さん=由布市挾間町のアトリエ

 脚本・津田真一、絵・ザ・キャビンカンパニーの紙芝居「こたろうと りゅう」(童心社・2090円)が6日、発売された。ザ・キャビンカンパニーは大分市在住の絵本作家ユニットで紙芝居は初挑戦。「画面をフルに使って、思い切り描けた」と話している。

 竜から生まれた人間の小太郎が、母竜と一緒に村人のために土地を開いた長野県の伝説を基にした物語。

 夫婦で活動する吉岡紗希さん(35)と阿部健太朗さん(34)は、長野県を訪ね、風土を実感。日本アルプスの険しい山容は印象的で、絵の中に取り入れたという。

 紙芝居ならではの工夫も。大勢の子に見せるため細かい描写を避け、主役がすぐに分かるよう背景をベタ塗りで処理。荒々しい展開では、絵を上下に揺らすことを想定し、うねる一筆描きと荒い点描で躍動感を生んだ。2人は「子どもたちにとっては紙芝居は絵本よりも入り込みやすいと思うので、楽しんでもらえれば」と期待した。

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