全国一の速さで高齢者増加も…将来の地域医療担う医学生19人が決意表明 「地域枠奨学生」が知事表敬

大野元裕知事に決意を伝える埼玉医科大の1年生ら=25日午後、さいたま市浦和区

 埼玉県内の地域医療に貢献する医師の育成を目的とした県地域枠医学生奨学金(指定大学奨学金)を受けている埼玉医科大学(竹内勤学長)の1年生らが25日、大野元裕知事を表敬訪問し、決意を表明した。知事は「熱い思いを胸に秘めながら、切磋琢磨(せっさたくま)する仲間と共に研さんを積み、輝かしい未来に大きく飛躍してほしい」と激励した。

 埼玉医大では本年度、地域枠奨学金を受けた19人が入学。全員で知事を訪れた。総合診療医を志す池田早希さんは「県はこれから全国一の速さで高齢者が増加すると見込まれている。高齢者医療を支え、地域医療を担うリーダーを目指す。学習したことを地域に還元し、県の医療の充実に貢献したい」と決意を述べた。

 村田大空樹さんは地域に寄り添った医師を目指すとして「地域を理解し、ニーズに応えられるよう、行事に参加し、地域に暮らす方々との交流を深めたい。信頼を築き医療を身近に感じてもらいたい」と表明した。

 学生19人の決意表明文を受け取った知事は「高い志は、未来における県民の安心につながると確信している」と期待を込めた。さらに、県の取り組みについて紹介し「研修に際してのさまざまな支援をしていく所存だ」と述べた。

 県医療人材課によると、今年度、地域枠医学生奨学金を受けて県内外の医大・医学部に入学した学生は43人。卒業後には県内の医師不足地域か小児科などの特定診療科で9年間勤務する。

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