全農岩手県本部「カビ毒」小麦の原因発表

 全農岩手県本部は26日、製粉会社に販売した2022年産の県産ナンブコムギから基準値を超す「カビ毒」が検出された問題を巡り、赤かび病防除に関する花巻農協管内の一部生産者の認識不足や、同農協が出荷前に行うサンプル検査体制の不備などが原因だったと発表した。今後、生産段階での指導強化、検査数の増強といった再発防止策を徹底するとした。

 カビ毒が含まれていたのは北上市産で、同市の藤根ライスセンターで乾燥調整されたナンブコムギ。同本部によると、同農協は赤かび病発生を防ぐため開花始期から盛期にかけての防除を指導していたが、生産者の認識が不足し適期外での農薬散布が一部確認されたという。同農協による栽培記録の確認も足りなかった。

 収穫後は速やかな乾燥が重要だが、センターで荷受け初期の水分値が非常に高い水準だったり、1日当たりの荷受け量が集中したりして、適正な数値までの乾燥に多くの日数を要したことも一因。サンプル検査については、同農協の理解不足により全農が定めるルールよりも量や回数などが少なかったとした。

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