溺れた人を助けて感謝状 「ライフジャケット必ず着て」

感謝状を受けとった(右から)松本尚久さん、松本吏恩さん、守部友貴さん=大津市真野2丁目・市北消防署

 9月と10月に琵琶湖で発生した水難事故で溺れた人を救助したとして、滋賀県警大津北署と大津市消防局は、京都市や京都府向日市の男性3人と、自然体験施設「BSCウォータースポーツセンター」(大津市南船路)に感謝状を贈った。同署は人命救助への貢献に感謝しつつ、いずれもライフジャケットを着用していなかった人が溺れたことから、着用の徹底を強く訴えている。

 9月の事故で救助にあたったのは、京都市右京区の会社員松本尚久さん(51)、松本さんの次男で向日市の解体工吏恩さん(19)、神戸市の会社員守部友貴さん(39)の3人。

 9月23日に大津市北小松の琵琶湖のマリーナを訪れた3人は、強風で水上バイクに乗るのを諦めて浜で遊んでいたところ、沖合に浮かぶSUP(サップ)のボードを発見。強風の中でサップをしていて転覆し溺れた3人を救助した。松本さんは「強風の時に無理に沖に出ないなど琵琶湖のルールを守って遊んでほしい」と話した。

 10月5日には、同市南船路沖の琵琶湖で、2人乗りのヨットと2人乗りのカヤックが転覆し、男性1人が溺れて亡くなった。BSCウォータースポーツセンターのインストラクター松本海斗さん(24)は、残る3人を同センターの救命艇で救助した。
 今年はヨットやサップが関係する事故が琵琶湖で相次いだ。感謝状を受け取った同センターのディレクター井上達也さん(34)は「ライフジャケット着用が恥ずかしくても、仲間同士で呼びかけ合って必ず着てほしい」と話した。

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