【ホープフルS/追い切り診断】無敗の重賞ウイナーが辛口「B」評価 「陣営の焦りか……凡走も想定」

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■ゴンバデカーブース

【中間調整】新馬戦スタート2週目だった6月10日の東京芝マイル戦を逃げ切ってデビューウィン。その後4カ月の休養を挟んで出走したサウジアラビアRCは道中ほぼ最後方から直線だけの競馬で全馬まとめて面倒を見て、2着ボンドガールに2馬身差のVを果たしている。異なる形での無傷2連勝は非凡な才能の証。マイルで2連勝だが、来春のクラシックを念頭に朝日杯ではなくホープフルSへ進むことに。

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11月24日に山元トレセンから美浦に戻り時間を掛けてじっくり乗り込まれている。タスティエーラらレベルの高い相手と再三の併せ馬で食らいついてはいるものの、肉体が大幅にビルドアップしたせいなのか序盤に力んでしまい、ラストでどうしても反応に鈍さがある状況だ。21日の攻めでは本番には騎乗しないものの、状況確認役を任されたR.ムーア騎手が跨った。古馬1勝クラスに先着はしたものの、ズブさを感じさせる内容となっている。

【最終追い切り】25日はウッドで外の2頭を追走。序盤は気合い乗りこそ悪くないが、やはり力みが目立つ。それでも脚力の違いで2頭をあっさりパスし、最先着を果たした。

【見解】乗り込み本数は十分で体調面は残暑の影響が感じられた前走時とは比較にならないレベルで良好。それでも“諸刃の剣”で増えた馬体重と活気の良さを馬が持て余しているような感もある。窮余の策?としてレースで騎乗しないR.ムーア騎手に助言をもらうべく稽古に跨ってもらったあたりも、陣営の焦りを感じるところだ。本番までにメンタルのブレが収まればいいが、それが叶わなかった際の凡走は想定しておくべきだろう。

総合評価「B」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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