神戸市の水道料金、審議会が答申「値上げ必要」 改定されれば、消費増税時除き1997年以来

神戸市役所=神戸市中央区

 水道事業経営について学識者や市民が議論する「神戸市上下水道事業審議会」(会長=柳川隆・摂南大経済学部長)は、水道料金の値上げが必要とする答申を市に提出した。答申に沿って料金が改定されれば、消費税増税時を除いて1997年以来の値上げとなる。

 市水道局によると、人口減少や節水意識の浸透で料金収入は減少傾向が続く一方、40~50年前に整備された送水トンネルや配水管の更新コストが増大。2025年度には収支が赤字になり、近年は活用していなかった企業債(借金)を発行しなければ、更新工事に必要な資金が確保できなくなる可能性もあるという。

 そのため、答申では料金について「できるだけ早期の改定が望ましい」と指摘。現状、一般家庭からは1カ月10立方メートルまでの「基本料金」と、使用水量に応じた「従量料金」を徴収しているが、基本料金の値上げや上限(月10立方メートル)の引き下げなどを提案した。

 配水管の更新については現在の年40キロ程度から50キロ程度にペースを上げるよう求め、施設の更新や建設に必要な経費の40%を企業債で賄うことも提案した。

 市は答申をベースに今後、具体的な料金改定などを検討する。答申書は市ホームページで公開している。(井沢泰斗)

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