結婚式場の料理長が福井県2人目の快挙 すしや中華、日本料理、麺まで…調理技術評価試験で全6分野制覇した43歳

調理技術技能評価試験の全6分野に合格した馬場康成さん=福井県福井市渕4丁目の八雲迎賓館

 結婚式場の八雲迎賓館(福井県福井市渕4丁目)で料理長を務める馬場康成さん(43)=同市=が、日本料理や中国料理など各分野の技能向上を目指し調理師が受験する「調理技術技能評価試験」の全6分野に合格した。全分野合格は県内2人目で、試験事務局によると「全国的にも珍しい」という。馬場さんは「お客さまにさまざまな分野の料理を安心して食べてもらえる」と話している。

 試験は、調理技術技能センターが運営する国家試験制度。すし、中国、給食用特殊、日本、西洋、麺の6分野で、学科と実技試験がある。合格者には、調理師学校の教員資格と「専門調理師・調理技能士」の称号が与えられる。

 馬場さんは高校卒業後、料理の道に入った。日本料理を専門とし、さらなる高みを目指し、2018年に日本料理の試験に合格。19年はすし、20年はうどんやそばの手もみ作業などが出題される麺料理で合格し、長年の板前の実力に磨きをかけた。

 専門分野は合格したが「今の職場では中華や西洋料理の技術も必要。お客さまに安心して食べてもらうために、全種目コンプリートしたい」と向上心に火が付いた。丸1匹のひな鳥やラム肉など初めて扱う食材に加え、中華包丁や洋食用の包丁など器具もなじみがなかったが、専門のシェフに助言を仰ぎながら特訓を積んだ。業務後や休日も練習に励み、2週間~1カ月ほどの準備期間で昨年は中国料理、今春に西洋料理をクリアした。

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 「衛生管理の観点でも受かっておきたかった」と、残る給食用特殊料理の試験にも挑み今年9月に合格。馬場さんは今後「試験を通して身につけた新しい知識を生かし、お客さまに喜んでいただける一生に一度の料理を創造していきたい」と胸を張った。

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