「特急で最後」帰省次々 金沢駅直通、3月で廃止

サンダーバードから降り立った帰省客で混み合うホーム=JR金沢駅

 年末年始をふるさとで過ごす人の帰省ラッシュは29日も続き、JR金沢駅は大きな荷物を持った家族連れや出迎えの親族らで混雑した。北陸新幹線敦賀開業前の最後の帰省シーズンとなり、開業後は敦賀止まりになる大阪発の「サンダーバード」、名古屋・米原発の「しらさぎ」の特急列車から「最後の帰省客」が次々とホームに降り立った。

  ●新幹線も満席、30日ピーク

 自由席乗車率は東京発の北陸新幹線「はくたか」4本、「サンダーバード」5本、「しらさぎ」6本で100%以上となり、最大は「しらさぎ」1本の180%だった。指定席予約は北陸新幹線「かがやき」「はくたか」33本、「サンダーバード」16本、「しらさぎ」9本が満席となった。

 金沢駅では、改札から出てきた孫と再会を喜ぶ祖父母の姿などが見られた。東京から1年半ぶりに金沢に帰省した会社員清田香菜子さん(40)は「実家でゆっくりし、観光も楽しみたい」と笑顔を見せた。

 下宿先の京都市からサンダーバードで帰省した金沢出身の女子大生(20)は「地元の友達と久しぶりに遊びたい。来年から乗り換えが必要だと思うと少し不便に感じる」と話した。

 北陸への入り込みは30日、Uターンは1月3日がピークと見込まれる。

  ●特急3本に遅れ

 29日午前9時32分ごろ、北陸線敦賀―新疋田間を走行していた新快速列車で、不具合があり、新疋田駅以降の運転を取りやめた。このためサンダーバード2本、しらさぎ1本、普通列車2本などに最大41分の遅れが生じ、約2200人に影響した。

  ●晴れや曇り

 29日の石川県内は高気圧に覆われ、曇りや晴れとなった。最高気温は金沢10.6度、輪島10.7度など、各地で12月上旬から中旬並みだった。金沢地方気象台によると、30日も県内は曇りや晴れとなる見込み。

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