全国高校サッカー選手権 長総大付、逆転負け 帝京長岡(新潟)に2-3

【1回戦、帝京長岡―長総大付】前半22分、長総大付のMF大屋がロングシュートを決める=柏の葉公園総合競技場

 サッカーの第102回全国高校選手権第2日は29日、千葉県柏市の柏の葉公園総合競技場などで1回戦15試合が行われ、長崎県代表の長崎総合科学大付は帝京長岡(新潟)に2-3で逆転負けした。
 長総大付は前半22分、中盤でパスカットしたMF大屋がロングシュートを決めて先制。ロスタイムに左クロスを中央で合わせられて追いつかれたが、1-1の後半19分に相手GKのキャッチミスをMF仲宗根が蹴り込んで2-1と再び勝ち越した。しかし、27分に同点ゴールを許し、ロスタイム2分に決勝点を奪われた。
 今夏のインターハイを制した明秀学園日立(茨城)は徳島市立に2-0で快勝。3人のJクラブ内定者を擁する静岡学園は明徳義塾(高知)を6-0で下した。市船橋(千葉)は高川学園(山口)に4-1、佐賀東は後半ロスタイムのゴールで丸岡(福井)に1-0で競り勝った。このほか、昌平(埼玉)、初芝橋本(和歌山)、前橋育英(群馬)などが勝ち上がった。
 第3日は31日、首都圏8会場で2回戦16試合を実施する。

◎随所で見せた“総付”らしさ

 後半ロスタイムで2-2。目安の2分に差しかかり、PK戦が目前に迫っていた。カウンターから自陣右サイドを破られ、帝京長岡FW谷中のシュートがゴールネットに突き刺さる。長崎総合科学大付の選手たちはピッチに倒れ込み、頭を抱え、天を仰いだ。2度のリードを奪いながら、最後の最後に力尽きた。
 随所で長総大付の良さが出た試合だった。空中戦ではFW福島が体を張り、サイドからも攻め立てた。セカンドボールに食らいつき、抜かれても足を止めることなく追いかける。DF平山の「DFラインを高く保つことを共有した」という言葉通り、パスサッカーを展開する相手に素早くプレスをかけ続けて苦しめた。MF大屋がパスカットからの豪快なロングシュートで待望の先制点。追いつかれても相手のミスを逃さず、MF仲宗根がネットを揺らした。来季から高校年代最高峰プレミアリーグに参戦する強豪相手に、一歩も引かなかった。
 県新人大会準優勝、県高総体3回戦敗退と悔しさを味わってきた1年間。何をやってもうまくいかず、心が折れそうになったが全員で支え合ってきた。伝統の厳しい夏遠征を耐え抜き、チームは県内サッカー関係者が「見違えるくらい強くなった」と驚くほどに変わった。全国は甘くなかったが、何度も見せ場をつくって観客を沸かせた。
 3年生は2年前に他界した小嶺忠敏前監督の最後の教え子たち。その挑戦は年を越さずに終わった。定方監督は選手をねぎらいながら「力が足りないということ。小嶺先生もそう言うと思う。一から鍛え直して戻って来る」。悔しさを胸に刻んだ。

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