【能登半島地震】本紙記者ルポ 輪島中心部の火災 焼け野原、爆弾落ちたよう ビル倒壊「頑張って」声かけ救助待つ人

輪島朝市通りで発生した火災=2日午前

 2日午前2時半、輪島市三井から、大規模な火災が発生した市内中心部に入った。朝市通り周辺が燃えて、家々が黒焦げになっている。まるで爆弾が落ちたような無残な光景が広がっていた。(写真部・三上聡一)

 三井からの道路は至る所が隆起し、陥没もあり、恐る恐る進んだ。土砂崩れも発生し、細い道を迂回しながら、ようやく輪島市中心部にたどり着くことができた。

 朝市通りの入り口から奥へ進む。大きな炎が上がり、消防隊がずっと放水を続けるが、勢いは止まらない。次々と燃え移り、火の粉が飛んでくる。

 午前6時ごろ、ようやく大きな火が見えなくなったが、至る所で、白い煙がもくもく上がって焦げ臭い。

 辺りは一面焼け野原だ。鉄筋コンクリートの建物の骨組みだけが残り、木造の建物は燃え尽くしている。電信柱や信号が傾き、まるで爆弾が落ちたように、まちが消えている。この世の光景とは思えない。

 輪島市河井町では7階建てとみられるビルが倒壊し、救助活動が続いていた。家族だろうか。泣きながら「頑張って」「起きて」と声をかけ続け、救助を待つ人がいた。

 午前7時、明るくなり、壊れた家から荷物を運び出す人の姿が見られるようになった。何から手を付けていいか分からないといった様子で、立ち尽くす人も見える。信じられない光景が広がっている。

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