「失敗と言われ…私は許せなかった」田辺信宏前静岡市長 川勝知事との今だから話せる“バトル”裏話 鈴木康友前浜松市長「オレなんて蚊帳の外」

2023年4月に退任した前・浜松市長の鈴木康友さんと前・静岡市長の田辺信宏さん。政令市のかじ取り役を担ったリーダーから今だから話せる市長時代のエピソードを聞きました。

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Q.今はお二人はどういう生活をなさっているんですか?

<鈴木康友さん>
「未来共創株式会社という会社を6月に立ち上げ、そこでコンサルティングの事業始めて充実した日々を送っています」

<田辺信宏さん>
「私は高校の同級生が東京の京橋で立ち上げたベンチャー企業のお手伝いをしています」

田辺さんは、市長の経験をもとに学生の政策提言を後押ししています。田辺さんが切り出したのは2016年のあの出来事でした。

「静岡市は政令都市としては失敗事例」2016年に川勝知事とバトル

<田辺信宏さん>
「われわれG3サミットがあった」
<鈴木康友さん>
「オレなんて、蚊帳の外だよ」

人口が減り続ける静岡市に対し知事は、2016年の「G3サミット=知事と静岡・浜松の両政令市長によるトップ会談」で…

<川勝平太知事>
「静岡市は私は政令都市としては失敗事例」
<田辺信宏市長=当時>
「静岡市のことを大変ご心配いただき、ありがとうございます」

<鈴木康友さん>
「川勝さんと田辺さんのバトルを横で聞いているしかなかった」

<田辺信宏さん>
「私は許せなかったですね。先人のみなさんがね、どうやって旧清水市と静岡市が合併する、その先に政令指定都市があるという目標を掲げて、ご苦労されていたか知っているわけです」

<田辺信宏さん>(2016年)
「知事は言葉を選んで発言をしていただきたいとお願いを致します」

Q.鈴木さんは、その様子をどうご覧になっていましたか?
<鈴木康友さん>
「あんまり僕はそこに立ち入ることもできないし」
<田辺信宏さん>
「なんで!立ち入ってくれても良かったよ」

天竜川から向こうは独立国だと思って行政運営していた

<鈴木康友さん>
「立ち入ってもしょうがない話。構造上の違いもあってね、静岡市は県庁所在地だから県との距離も近い分、いろいろ問題もあるけど、浜松市は全く関係ない。天竜川から向こうは独立国だと思って行政運営していたので、あんまり県とは、逆に言うとあんまり関わってほしくないくらいの感じでしたから」

<田辺信宏さん>
「浜松市は成功だって言わんばかり。僕らはお互い苦労してやってきましたからね。首長って時に孤独の時がある。そういう意味では先輩、30年来の付き合いの康友さんが同じ静岡県の市長でいてくれたことは私にとってはとっても嬉しかったですね。どうですか康友さん?」
<鈴木康友さん>
「まあ、そうだね」
<田辺信宏さん>
「ははは」

<鈴木康友さん>
「コロナの時はね、もう反射神経で勝負しないといけない。誰も経験したことないことに直面する訳ですから。ああいうコロナ禍みたいな未知との遭遇では、反射神経が絶対必要だと思っていて、他にお手本がない。いちばん最初の緊急事態宣言が明けた時、何を思ったかと言うと、商品券なんて作って配っていたら、いつ次の感染がくるか分からない。時間が勝負だと。キャッシュレスの企業と組んだらどうかと、僕の出した条件が1か月で準備してくれと、それに対してこたえてくれたのはペイペイさんだけだった。ポイントバックキャンペーンが大成功して全国に広まったんですね」

66年ぶりのプロ野球チーム誕生 田辺氏「12年前の公約」

田辺さんは全国に静岡市をアピールできたといいます。
<田辺信宏さん>
「12年前の私の公約は、政令市になったんだからサッカーだけではなく、プロ野球の球団を静岡市に誘致したい。12年間やらせていただいたおかげで来シーズンから66年ぶりのプロ野球チームが誕生しますし」

本拠地は、清水庵原球場。1月11日に合同練習がスタートし、1月25日にキャンプに入る予定です。

Q.長くやっていれば困難なことも沢山あったと思う。どうすれば乗り越えられるものだと今振り返りますか?
<鈴木康友さん>
「やっぱりやり続けることが大事。本当に経営者の皆さんを見ていると、絶対あきらめない。成功の要諦は成功するまで続けるところにあり。それを地で行く人をたくさん見てきて、実にその通りだなと」
<田辺信宏さん>
「ひょいと乗り越えられる壁ではなくて、壁が高ければ高いほど、それを乗り越えた時の喜びもまた大きいということも私は若い人だけではなく、今困難に直面している方々にお伝えしたいメッセージですね」

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