【能登半島地震】氷見4000戸、水道復旧 断水1万戸で続く

漏水箇所の復旧工事に当たる作業員=3日午後1時10分、氷見市幸町

  ●完全復旧めど立たず

 1日に石川県で最大震度7を観測した能登半島地震で、全域で断水となっていた氷見市では3日午後4時時点で、約4千戸で解消された。しかし、約1万戸で断水が続いており、完全復旧の見通しは立っていない。富山県の担当者は「氷見の市域は広く、迅速な作業には人員確保が課題となる」と指摘している。

 県によると、高岡市では840戸が復旧したが、4250戸で断水が続く。富山、小矢部、射水市ではおおむね復旧が完了した。

  ●県内住宅被害57件、負傷36人に

 3日午前10時半時点の住宅被害は全壊2件、一部損壊7件、未分類48件の計57件。今後、災害救助法に基づく住宅の応急修理の受け付けを各市町村で始める。人的被害は重傷3人、軽傷33人の計36人で2日午後6時時点の37人から修正した。魚津の軽傷者を3人から1減とした。開設中の避難所は43カ所で490人が避難している。

 富山空港では3日、羽田空港での航空機衝突事故の影響で、富山―羽田便1便に遅れが出た。

  ●知事、降雪見込み、「土砂災害に注意を」

 県は3日開いた災害対策本部員会議で県幹部らが被害状況を確認。富山地方気象台の担当者は、3日夜から4日昼前にかけて大雨警報を発表する可能性があり、7日以降には降雪が見込まれると説明した。新田八朗知事は「地盤の緩みによる土砂災害に注意し、危険を感じたら速やかに避難してください」と訴えた。

  ●氷見市へ派遣見送り、自衛隊

 自衛隊は、全域で断水が発生した氷見市への災害派遣を見送った。県によると、現時点の給水態勢で十分に対応が可能と判断したため。能登半島での人命救助活動を優先させる。

 県は1日、氷見の断水を受けて自衛隊に対して災害派遣を要請していた。3日の災害対策本部員会議で、自衛隊富山地方協力本部の担当者は、氷見市の給水のニーズがなくなったとした上で「効率的、柔軟的に運用しているので、新たなニーズがあれば対応したい」と述べた。

  ●富山、高岡など震度3

 3日午前10時54分ごろ、富山、高岡市など9市町村で震度3を観測した。気象庁によると、能登半島地震発生から48時間で、富山県内で震度1以上を103回観測した。

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