「成人式」コロナ前に回帰 兵庫各地で分散開催やめ、歓談会復活 オンライン継続の自治体も

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 「成人の日」(8日)に合わせ、兵庫県内の各市町で行われる「二十歳のつどい(成人式)」の多くが、新型コロナウイルス禍以前の内容に戻す傾向にあることが分かった。コロナ対策の感染症法上の位置付けが変わったことを受けたもので、前年までの分散開催をやめたり、参加者が歓談する場を設けたりする。一方、少子化の影響で、県内の式典対象である20歳の人口は過去40年で最少を更新した。(久保田麻依子)

 成人年齢は2022年から18歳に引き下げられたが、県内のつどいは従来通り全て20歳が対象。政府のコロナ対策は昨年5月、季節性インフルエンザと同等の「5類」に移行したため、つどいの対応を各市町に取材した。

 神戸市や尼崎市、三田市などは、コロナ対策のため昨年まで2回に分けて式典を実施していたが、いずれも1回にまとめる。太子町では国歌「静聴」から「斉唱」に戻し、席も間隔を空けずに着席できるようにする。上郡町は、従来実施していた式典後の歓談会を4年ぶりに催し、来場者の入場制限も廃止する。

 一方、複数の自治体は、コロナ禍で定着した「オンライン配信」を引き続き実施する。また、式典の2回制を維持するのは明石市。感染再拡大への備えに加え「(2回制の場合)警備上の安全確保や、会場の収容数に余裕ができる」(市教育委員会)ためという。

 かつては「成人式」でほぼ統一されていた式典の呼び名は、成人年齢の引き下げを受けて「はたちの集い」「二十歳を祝う会」など市町によってまちまちに。県内で唯一「成人式」の名を残す小野市は、20歳になる実行委員らが名称を検討し「満場一致で『成人式』に決まった」(市教委)という。担当者は「大人としての自覚を得られる時期という位置づけで、『成人式』の名を残していきたい」と話した。

 県内の式典対象者は2003年4月2日~04年4月1日に生まれ、23年12月1日時点で住民登録している人などで、計5万3399人。1994年をピークに減少している。

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