青森県の保健師ら、石川県に派遣へ 宮下知事が表明、県内避難所の備蓄充実も

能登半島地震への対応などについて答える宮下知事=4日、県庁

 宮下宗一郎知事は4日の定例記者会見で、能登半島地震を受け「(災害への)備えが非常に重要」と述べ、県内避難所の食料や水などの備蓄を市町村と連携して一層充実させる考えを示した。被災地支援のため、青森県の保健師や事務職員を石川県に派遣することも明らかにした。

 宮下知事は能登半島地震を巡り「水、トイレ、毛布、ビニールシートがないといったことが次々報道されている。県と市町村が一丸となり、備えを万全にすることが必要だと改めて感じている」と語った。

 県防災危機管理課によると、県は2021年度から避難所の備蓄を順次増やしており、25年度までに市町村分などと合わせて18万2200人の3日分の水、炊かずに食べられる「アルファ化米」、毛布、簡易トイレを準備する予定。さらなる物資の補充や、民間から物資提供を受ける体制づくりも検討している。

 被災地への職員派遣は、厚生労働省の求めに応じ、保健師2人と事務職員1人を1チームとして交代で10チーム派遣する予定。避難者の健康状態の把握や感染症予防に取り組むほか、在宅の要支援者の支援も行う。派遣期間は7日から2月末までだが、今後変更になる可能性がある。宮下知事は「被災地のニーズに応じて速やかに対応することが肝要」と語った。

 このほか記者会見で宮下知事は、一般ドライバーが自家用車を使い有償で客を運ぶライドシェアについて「高い関心と期待がある。県内に複数ある交通空白地帯で、地域住民の買い物や通院などを支える役割を担える」との見方を示した。実際の導入に向けた取り組みは、24年度予算案の中で示すとした。

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