【中山金杯/追い切り診断】エピファニーを上回る「S」の最高評価 「調子落ちの夏場からV字回復」

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■マテンロウレオ

【中間調整】2年前のきさらぎ賞を制した素質馬。同年春のクラシック本番では凡走続きだったものの、骨折からの復帰戦だった秋のアンドロメダSをいきなり制し、昨年前半は京都記念2着、大阪杯4着など一線級と互角の走りを見せた。昨年12月2日のチャレンジCで5着に入った後は有馬記念に登録はしたものの、賞金不足による補欠止まりが濃厚で、前年5着だった中山金杯へのリベンジに向けて在厩調整が続いている。

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12月13日の初時計でCWラスト1F11秒9(馬なり)と軽快に動き、20日にはCW3F36秒4(強め)と余力を残して速い時計をマーク。仮に有馬記念に出たとしても恥ずかしくない競馬ができるレベルで調整されていたようだ。1週前には主戦・横山典騎手が騎乗。CW単走で序盤はピタッと折り合い、終いに溜めた脚を鋭く弾けさせていた。

【最終追い切り】年内にほぼ仕上がっており年明けの今週はCW単走、終い重点の軽め調整となった。コーナーは他馬で混雑した状況だったが、外を大きく回され我関せずの貫禄で加速。機敏に手前を変換し、体を大きく使って駆け抜けた。道中の落ち着きは申し分なかったし、精神面はかなりいい状況のよう。

【見解】酷暑下の札幌記念、そしてその反動があって体を大きく減らしていたオールカマーと大敗が続いたが、涼しくなって体が戻っていた前走・チャレンジCが復調を感じさせる5着。その前走時の調整はややテンションの高さが目立っていたが、この中間は落ち着き払っており1回使われた効果はてきめん。体調面も調子を崩していた夏場からV字回復を果たしたようで、気配に関しては言うことなしだ。出遅れながら僅差の競馬だった昨年以上の着順に期待していい。

総合評価「S」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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