宝塚歌劇110周年記念、星組公演が開幕 トップ礼真琴が4カ月ぶり復帰 団員急死で異例の延期、祝福ムードとは距離

「RRR」で楽しげに歌い踊るビーム役の礼真琴(中央)とジェニファー役の舞空瞳(左)=宝塚市栄町1、宝塚大劇場(撮影・斎藤雅志)

 宝塚歌劇110周年記念の幕開けを飾る星組公演が5日、宝塚大劇場(兵庫県宝塚市栄町1)で初日を迎えた。トップスター礼真琴(れい・まこと)が長期休養を経て約4カ月ぶりに舞台復帰、元気な姿を見せた。

 演目は「RRR×TAKA“R”AZUKA~√Bheem~(アールアールアール・バイ・タカラヅカ~ルートビーム)」。大ヒットインド映画を原作に、脚本、演出を谷貴矢が手がけた。

 1920年のイギリス植民地時代のインドが舞台。インド総督スコットに連れ去られた少女を救うため立ち上がったゴーンド族の守護者ビーム(礼)と、大義を胸に秘めたラーマ(暁千星=あかつき・ちせい)の絆と葛藤を描いた。

 ショー「VIOLETOPIA(ヴィオレトピア)」は、演出家指田珠子(さしだ・しゅこ)の宝塚大劇場デビュー作。廃虚となった劇場で、時間や国境を超えて繰り広げられる光と闇のドラマを幻想的に描く。

 昨年秋に宙組団員が急死し、組織の風土改革を迫られている歌劇団。過密スケジュール回避のため、初日を例年の元旦から5日に延ばした。毎年、元旦に行われていた鏡開きもなく、祝福ムードとは距離を置く記念イヤーのスタートとなった。

 礼は終演後、「無事にこうして初日の幕を開けることができましたのも、この作品に携わってくださいました沢山の皆様、そして何よりも宝塚歌劇を待ってくださっているお客様がいてくださったからこそ」とファンへの感謝を述べた。さらに「皆様へパワーをお届けできる作品となりますように、明日からもひたすら心を込めて努めてまいります」と、舞台人としての意欲と決意を語った。

 2月4日まで。東京宝塚劇場は2月23日~4月6日。(小尾絵生)

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