王将戦舞台の大田原市 10月に全国将棋サミット 棋士のトークや席上対局

 将棋の王将戦の舞台として定着した栃木県大田原市で10月12日、「全国将棋サミット」が開かれる。県内での開催は初めて。那須野が原ハーモニーホールを会場に、プロ棋士によるトークショーや記念席上対局、全国の将棋文化振興自治体の取り組み発表など多彩なイベントが行われる予定だ。今月7日には今年最初のタイトル戦となる「第73期王将戦7番勝負第1局」の火ぶたが切られる。二つの将棋イベントで、大田原の将棋熱はさらに高まるに違いない。

 王将戦は7、8の両日、黒羽向町のホテル花月で藤井聡太(ふじいそうた)王将(21)=竜王・名人・王位・叡王・王座・棋王・棋聖との八冠=と菅井竜也(すがいたつや)八段(31)が対戦する。

 全国将棋サミットは将棋を通して地域の発展を目指す自治体が一堂に会して意見交換などを行い、相互の交流と連携を促進する目的で2014年に始まった。日本将棋連盟と開催地の自治体が共催し、今年で10回の節目を迎える。

 昨年10月に大阪府高槻市で開かれたサミットで、大田原市が次回の開催地になることが発表された。

 市は04年の市制施行50周年を記念した王将戦誘致を機に「将棋によるまちづくり」を進め、王将戦は19期連続での開催となった。

 将棋サミットでは、昨年刷新した将棋イベント「将棋を楽しもうおおたわら」とのタイアップも計画中だ。相馬憲一(そうまけんいち)市長は「王将戦とサミットという二つのイベントを成功させて、さらなる将棋の浸透を図るとともに、歴史や観光も含めた大田原の魅力を全国に発信したい」と話している。

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