大ホールの天井裏損傷で休館 野々市、再開の見通し立たず

大ホールの天井裏に地震による損傷が見つかり、臨時休館した野々市市文化会館フォルテ

 野々市市は5日、市文化会館フォルテ大ホールの天井裏に地震による損傷が見つかったと発表した。全館を点検するため、同日から当面、臨時休館した。休館がいつまで続くか見通しは立っていない。フォルテは金沢市に近い立地で、大ホールは発表会などで利用者が多く、影響が懸念される。

 業者と職員が4日、大ホールを点検した際、天井を支える部材の一部が曲がったり、留め具が脱落したりしている箇所を複数見つけた。

 市によると、大ホールの天井は天井裏からつり下げる構造で、東日本大震災では落下が相次いだ。高さ6メートル超、面積200平方メートル超、1平方メートル当たりの重さが2キロ超のつり天井は「特定天井」と呼ばれ、東日本大震災を受けた法改正で脱落防止対策が義務付けられた。フォルテの大ホールとロビー、ホワイエが特定天井に該当する。

 フォルテは1988年5月開業のため、増改築する場合に新しい技術基準に適合させればよく、市は8月から来年3月まで補強工事を行う計画だった。

 大ホールでは3月までに予約53件が入っており、市側は関係者に連絡した。7日の成人式は会場を野々市小体育館に変更したが、13日に予定されていた野々市市民合唱団特別演奏会(北國新聞社後援)は中止となった。合唱団の南俊朗代表(71)は「メンバーは楽しみにして練習や準備を進めてきた。残念だが仕方ない」と話した。

 21日の第27回県マーチングバンドカーニバル・第9回クロスオーバーコンサート(北國新聞社共催)も中止となった。

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