長崎商工会議所が新年交歓会 企業、団体のトップら参加 前向きな景況感に期待も…

新年祝賀交歓会で乾杯する出席者=長崎市大黒町、ホテルニュー長崎

 長崎商工会議所の新年祝賀交歓会が5日、長崎市内のホテルであった。各トップからは、市内のまちづくりの進展を追い風に前向きな景況感への期待の一方、物価上昇や人手不足への懸念も聞かれた。
 新型コロナウイルス感染拡大で2021年以降は、中止や縮小開催が続いていたが、4年ぶりに通常の規模に戻した。地元財界人ら約700人が参加し、張大興・駐長崎中国総領事の発声で乾杯した。
 今年の県内経済について各トップは、回復基調を見通しつつ、企業の賃上げや価格転嫁、観光産業の活性化などを課題に挙げた。商議所の森拓二郎会頭は、30年近く続いたデフレ経済からの脱却に期待。人手不足が加速する中で「外国人材の活用や各企業のイノベーションが鍵」と指摘した。
 県中小企業団体中央会の石丸忠重会長は、企業の賃上げの動向に注目。「多くの企業は価格転嫁と賃上げのジレンマを抱えている。企業が利益を出していけるように情報提供や支援をしていきたい」と述べた。
 日銀長崎支店の黒住卓司支店長は、本県観光産業について「空前の円安なのに、まだ十分にもうけていない」と問題提起した。「豊富な資源の活用や需要に応じた価格設定について、事業者が改めて考える年になるといい」と望んだ。
 三菱重工業長崎造船所の外野雅彦所長は、長崎地区の事業所をエネルギー脱炭素化の技術開発拠点とする「長崎カーボンニュートラルパーク」に触れ、「合理的でリアリティーのある脱炭素に向け、技術開発を進めていく」と意欲を示した。

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