家屋倒壊や道路損壊「特にひどい」 能登半島地震で現地入りの医師ら報告 感染症も広がる傾向

能登半島地震被災地での活動を報告する中村医師(中央)=滋賀県長浜市・長浜赤十字病院

 能登半島地震被災者支援のため日本赤十字社県支部救護班第1班として石川県に赴いていた長浜赤十字病院の医師や看護師ら9人が6日、現地から戻り、滋賀県長浜市の同病院で活動を報告した。

 9人は発災翌日の2日に出発した。被災地の情報が乏しいことなどから、4日午後に被害の大きい輪島市にようやく入ることができた。5、6両日に同市内の避難所でどういった医療が必要なのかの調査や巡回診療を行った。

 避難所は市が指定した所以外に被災者が自分たちで設けた所もあり、把握に苦心したという。水不足のためトイレなどの衛生環境が悪いことからコロナなどの感染症も一部で広がり始めているという。

 班長の中村誠昌医師(55)は「過去に東日本大震災や熊本地震の被災地も訪れたが、家屋倒壊や道路損壊は特にひどいと感じた。被災地で医療提供が必要な状態は今後長く続くと考えられ、継続的な取り組みが必要だ」と指摘した。

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