〈1.1大震災〉復旧、休日返上急ピッチ 伏木に県内外ボランティア

雨の中、泥だしに励むボランティア=高岡市伏木古国府

  ●住民と一丸「雪降る前に」

 地震によって液状化現象とみられる泥の噴出や住宅の破損などが多数発生した高岡市伏木では6日、多数のボランティアが地区に入り、地元住民とともに冷たい雨が降りしきる中、休日返上で復旧作業に励んだ。7日からは雪が降るとの予報も出ており、住民らは「雪が降る前に少しでも作業を進めたい」と懸命に取り組んだ。

 市社会福祉協議会に寄せられたボランティアの依頼は、6カ所のうち5カ所が伏木地区に集中。側溝にたまった泥のかき出しが主な仕事となった。東京や兵庫、山梨など富山県内外から参加したボランティアはスコップを使って側溝の泥をすくい、土のう袋に詰めたり、手押し車で指定の場所まで運んだりした。

 長野、山梨県民で構成する被災地支援団体「チーム八ケ岳」の南条登代表(65)は「少しでも高岡を助けたい」と作業の手に力を込めた。伏木高OBの会社員、窪正晴さん(23)=高岡市江尻=は「伏木が大変なことになっていると聞いて駆けつけた。思っていたよりもひどい状態で、早く元通りの姿に戻るように手伝いたい」と話した。

 ボランティアの支援を依頼した伏木古国府中部自治会の麦谷久雄会長(73)によると、震災後から住民総出で道路の泥を取り除く作業に当たり、その数は土のう袋350個分になった。これまで側溝には手が回らず「今日で一気に片付いた。感謝しかない」と話した。

 伏木地区では道路の破損も所々に見られ、業者が亀裂箇所を土で埋めたり、道路の泥を配水車などで洗い流したりした。道路脇を埋めていた土のう袋も回収が進み、通行できる場所は日ましに増えている。

 和菓子店「こし村百味堂」(伏木中央町)は、店舗が傾き、5日から店舗向かいにある自宅兼作業場で営業を始めた。越村淳平代表(50)は「大変でも営業を続けて地元の人に安心してもらいたい。一歩ずつ復旧していく」と前を見据えた。

 伏木中央町で「嘉太郎珈琲」を営む能澤隆廣さん(61)と妻の由香さん(58)は店舗車庫まで迫った土砂をかき出し、10日の営業再開を目指す。7日は近隣住民に無料でホットコーヒーを振る舞う予定で「少しでも元気になってくれればうれしい」と話した。

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