〈1.1大震災〉珠洲からヘリで搬送、女児出産長松さん「人を大切にする子に」

出産した女児を抱く長松さん=県立中央病院

 珠洲市蛸島町の自宅で被災した妊婦の長松(ちょうまつ)千晴さん(32)がドクターヘリで金沢に搬送され、県立中央病院で無事に女児を出産した。予定日よりも10日ほど早くお産を終えた長松さんは7日、北國新聞社の取材に応じ、「多くの人に助けられた。人との結び付きを大切にする子に育ってほしい」と感謝を込めて話した。

 長松さんは12日に七尾市の産院で帝王切開を予定していた。地震で自宅が半壊し、1日は家族と車中泊で過ごし、おなかの張りを感じて産院に連絡した。

 産院は地震の影響で受け入れることができず、翌2日に県立中央病院に運ばれた。子宮が破れる危険があったため即日、帝王切開で体重2336グラムの女児を生んだ。

 8日の退院後は市内の親類宅に身を寄せる。中学1年の長男、小学5年の長女も妹の誕生を喜んでおり、長松さんは「家族に会わせるのが楽しみ」と目を細めた。

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