学芸員、山大院生が解説 山形美術館で近岡善次郎展ギャラリートーク

「三途川」について語る三浦美花さん(左から2人目)=山形市・山形美術館

 山形市の山形美術館で開かれている企画展「近岡善次郎 聖なるイメージ」のギャラリートークが7日、同館で行われた。3章構成の本展のうち、民間信仰がテーマの第2章「祈りの風景」に焦点を当て、授業の一環として山形大の大学院生も参加した。若者の視点で気になる作品について語り、学芸員が特徴や技法などを解説した。

 山大は山形美術館と連携し、2010年度から文化コーディネート実習を行っている。23年度は同大大学院社会文化創造研究科2年の三浦美花さん(24)が昨年7月から十数回にわたって展覧会のイベントを手伝い、運営などを学んだ。

 この日、三浦さんは同美術館の黒沢匠主任学芸員とギャラリートークを担当。複数作品の気になった点を挙げた。「三途川」については「ぼこぼこしている白い点が雪のように見える。まるで天国に行くようだ」と述べた。黒沢さんは、モノトーン表現の作品は珍しく、白い色で描かれた人物は表情がなくても動きがあるとした上で「動きのない神仏との対比が面白い。遠くからだと雪のように見えるが、近づくと河原(の石)にも見え、印象が変わる」などと説明した。

 近岡善次郎さん(1914~2007年)は新庄市出身の洋画家。欧州留学を経て東北の民間伝承やその地で生きる人々を題材にした作品を多く手がけた。本展では約30点を紹介している。28日まで。

◆関連イベント  ▽13日午前11時=同時開催中の企画展「没後50年 土田文雄展」学芸員ギャラリートーク  ▽14日午前11時=「近岡善次郎 聖なるイメージ」学芸員ギャラリートーク  ▽同日午後2時=記念講演会(講師は元木幸一山形大名誉教授)

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